JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「アンデスの花嫁」

2017-08-03 | 映画(DVD)
「羽仁進レトロスペクティブ 映画を越境する」

「アンデスの花嫁」1966年 東京映画 監督:羽仁進 35mm

写真見合でペルーへと嫁いだタミ子が土にまみれて働く姿を雄大な自然を背景に描く。南米アンデスのオールロケを敢行したドキュメンタリー・タッチのドラマで左幸子と高橋幸路以外はすべて現地の人間を起用している。「ブワナ・トシの歌」と同系列のユニークな作品世界が素晴らしい。



羽仁進の映画が果たして面白いのか?
半信半疑でも南米好きはアンデスというだけで観に来てしまう。





個人的にとても興味深く面白かった。クスコを中心にペルーを旅したのは本作から20年後の30年前だが基本的には変わらないので郷愁感もある。
流石にインディオと生活はしなかったがクスコの裕福な白人家庭(実際はメスティソ)に世話になったし、左幸子が野宿を覚悟した際、白人家庭に拾われる時の表情に、近い経験もあるので一気に当時を思い出した。

写真だけの見合ではるばる南米の地に嫁ぐ1児を持つ未亡人タミ子、PTA参観日スタイルのスーツ姿でアンデスの荒地を行く親子って凄い掴みだ。
そんな写真見合でも何気に頼りにならなく掴み所のない亭主に努力して寄り添うように生きようとする愛。
町の日系人に肥えた種をもらいに行き知り合った高橋幸治との出会いが微妙なニュアンスで・・・
ラストでのその再開はあまりにせつなくグッと来た。







当時の女性映画の側面からも、左幸子がとても良く演じている。
フォルクローレをバックにインディオ娘とキャットファイト!

そして何より御主人のアンセルモ福田がいい味出してます。

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