JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「散歩する霊柩車」

2011-01-29 | 映画(DVD)
「妄執、異形の人々Ⅴ」

「散歩する霊柩車」1964年 東映 監督:佐藤肇

小柄で小心者の夫・麻見。豊満ボディで大胆な妻・すぎ江。妻は三人の男と浮気をしていた。ある日夫婦は、すぎ江が関係を清算した後、自殺に見せかけ、浮気相手をゆする計画を思いつくが…。棺桶を担いで奔走する日本のロン・チェイニー、西村晃の演技が光る。

60年代の日本映画にこのようなブラック・ユーモアあふれるサスペンス・コメディ佳作があったという事が何だか嬉しくなる。
佐藤肇という方はテレビ番組の方での活躍期間があったようで映画監督作品は決して多くないけど、はずさない監督ですね。

そして、このブラック・ユーモアな作品に光輝くのがシネマヴェーラ「妄執、異形特集」で常に日本のロン・チェイニーとして目玉を張ってきた西村晃。その魅力満開の本作はさながら西村晃アイドル映画。ご本人もお気に入りの作品だとか。
ラスト間際では錯乱しながら歌(作曲・西村晃とありました)まで披露。
今回、私はあらためて西村晃のアクションに心奪われました。そういえばどの作品でもこの小柄な名優はユーモアのあるアクションが冴えていたではないですか。

妻すぎ江(春川ますみ)と悪事を働いている麻美(西村晃)が外のパトカーのサイレンに、身を屈め警戒する様子。サッとベッドに飛び乗るアクション。すぎ江に投げ飛ばされ柱に頭を打ち付ける。などなど・・・

豊満な妻、春川ますみとの蚤の夫婦ぶりもユーモラス。
物語は2転3転するが、その都度、場あたり的に自分の身の振りを変える(基本的には亭主を裏切り逃げたいのだけれど)女房が強かな中にも可愛く見えるのは春川さんならではでしょうかね。

霊柩車の運転手役で鋭く麻見の企みを見抜くのが渥美清。クールでニヒルに抑えた演技も印象的。
その割にはあっさりやられちゃうのが残念でもありますが・・・

亡霊に惑わされ、運転する車を大木にぶつけて自爆。太い枝から逆さにぶら下がる西村晃のラストシーンに拍手。

シツコイようだが、シネマヴェーラ(他の小屋でも良いけど)は西村晃特集を組んでほしい。
または今後も「妄執、異形特集」には必ずこの作品を忍ばせておいて欲しいぞ。(そりゃ無理か)
もう一度わざわざ観ないかもしれないけど2本立ての組合わせによっちゃ、何度でも観ることに吝かではないよ。

シネマヴェーラ渋谷

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2 コメント

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 (とらねこ)
2011-01-29 21:20:36
こんばんは~♪
imaponさんとお話するの本当久しぶりです~!
いやー嬉しいです、こうして久しぶりにおはなしが出来て。
春川ますみのふてぶてしい淫乱熟女ぶりが、なかなか堂々としていて良かったですね。
金持ちは騙すのに、若い男にコロっと騙される辺り、あれが分かるようになってきちゃったなー

>今後も「妄執、異形特集」には必ずこの作品を忍ばせておいて欲しいぞ。
あ、それアリですよね。これはなかなかの傑作ですもん。
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Unknown (imapon)
2011-01-31 22:00:07
とらねこ様、こちらこそ久しぶり。
ブログ引っ越されてもチェックしてますきに。

若い男にコロッと、その若い男が岡崎二郎ですもんね。

この傑作、本文で書きませんでしたが、浜村純とか小沢昭一、加藤嘉なんて所がチョイ役で、これまた良い味出してんですよね。意外と贅沢。
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