JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「六人の女を殺した男」

2010-05-23 | 映画(DVD)
「昭和の銀幕に輝くヒロイン〔第53弾〕 岸田今日子」

「六人の女を殺した男」1965年 東宝 監督:島耕ニ

女に弱い売れっ子天才画家が繰りひろげる奇想天外なスリラー喜劇。画家に近づく女たちは、財産を狙ったり、地位や名声を利用しようとする欲深い者ばかり。わが身を守るために彼は──。

フランキー堺が例によって何故かモテる。今回の場合、画家・阿部健は才能があって裕福であるからモテる。女性はそれぞれ阿部健の財産目当て。
浪費家の万理昌代、計画的に慰謝料をふんだくろうとするバー・マダム藤村志保、田舎娘で贅沢を憶えてしまい、画才もあるので贋作を売りさばく明星雅子、淫蕩攻めで財産を狙う看護婦春川ますみ、阿部健のデザインを自分のものとして売り出そうとする出世欲のデザイナー久保菜穂子、それらの悪女たちを静かに見ていて全てを知る女中の岸田今日子。

女優それぞれのキャラクターを活かした悪女っぷりが楽しめるブラック・コメディー。
ところが、途中から退屈して退屈してどうしようもなくなってしまった。何故だろう?
オムニバス調でテンポも悪くないと思うんだが・・・
殺し方だって最初のうちは女の方が勝手に死んでいく事故死から阿部健が明確な殺意を抱き殺していくという変貌もあり、面白いはずなんだけど・・・

フランキー堺が警察に連行される車中のラストで振り返り観客に語りかける。
「これは私のような愚かな男の話で、皆様方には関係ないことです」・・・ホント、関係ないやと思っちゃった。
モテモテ役でもなぜか憎めないフランキー堺に対して、今回ばかりは冷めて見ちゃう。

この男、とにかく女好きで手当り次第。もともと女中の岸田今日子もお手付きだった。
岸田今日子の女中。
おとなしく静かに情勢を見ている不気味さは彼女ならでは。
もともとはおとなしかったのだけれど次々に現れる悪女を見て変化していく、フランキー堺の方も悪女体験して変化していく。微妙にずれあうタイミングが彼女の誤算。上手くいかないもんです。
だいたい財産への頓着はあまりなく、女体と自らの芸術家プライドの維持にしか興味がない男なのだから、夫婦としての義務の方も受け入れていれば、なんとかなった?
いずれにしても男も女たちも愛とは無縁だったって事か。

岸田今日子の死に顔と春川ますみの淫乱演技がマル。

振り返ってみると、この映画を退屈に感じたのは観る側の自分に問題があったのかとも思う。かといってもう一度観ようとも思わないし・・・まぁ、いいか。
ちょっと飽きてきたかな。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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