JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

2017-06-07 | 映画(DVD)
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」2016年 米 監督:ケネス・ロナーガン

アメリカ、ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは、兄ジョーの訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言でジョーの16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが、故郷の町に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。



とても丁寧に作られていて痺れるシーンが多い。
甥のパトリックがリーに連れられ病院へ父親の死に顔を見に行く一連の描写。
高校生の曖昧な物言い、霊安室での態度。
救急車に負傷者を運ぶ手際の悪さとか妙にリアル。

悲劇BGMに持ってこいの「アルビノーニのアダージョ」はベタすぎるだろうと思っていたら、主人公リーの背負ったあまりにもな過去に衝撃を受ける。

甥パトリックはモテ男でちょっと調子に乗っててお灸を饐えたくなるけれど、父を亡くした彼(母親は離婚)の存在がリーに少しづつ与える影響。それと同じように、観てるがわにとっても、全体的に重苦しい作品の救いにもなってる。控えめなユーモアの織り交ぜ方はなかなか良いのだ。
埋葬の後の野球ボールで戯れながら歩くシーンにやられる。


淡々と綴られるストーリーにあって、元妻がランチに誘う場面でついに落涙。

リーもパトリックも劇的ではないがほんの僅かだけれど良い方向に変化して迎えるエンディング。





マンチェスターって言うから英国かと思ったら米国だった。マンチェスター・バイ・ザ・シーまでが地名でマサチューセッツ州の漁港。
米国なのに地味、地味なのに長いのが珠に傷だが間違いなく良作。






IMPRESSIVE AND INCREDIBLY CONVINCING



ヒューマントラストシネマ渋谷


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