日本映画監督協会創立70周年記念オールナイト第四夜
2006年3月25日~26日
池袋 新文芸座
トークショー:鈴木清順監督、若松孝二監督、足立正生監督、細野辰興監督、(ホスト)林海象監督
「殺しの烙印」(1967)鈴木清順監督
「愛のコリーダ」(1976)大島渚監督
「天使の恍惚」(1972)若松孝二監督
「シャブ極道」(1996)細野辰興監督
志らくのシネマ落語が新文芸座でやっているから、このようなイベント情報を知って行ってしまったではないか。オールナイトなんて何年振りだろう。
今回はいろいろモメた問題作のオンパレード、まずはトークショー
日本映画ファンは良く知っている事なんでしょうが
鈴木清順共闘事件っていうのがあったんですね。
足立正生(出口出)と若松孝二の危険な話など・・・
「モメている監督ほど長く撮っているし、いいものを撮っている」
映画というものを使って何を表現していくかという意味で確かにそうかもしれない。
「殺しの烙印」
今回はこれが見てみたかった。
鈴木清順共闘の問題作。
日活の社長が「わけの分からん映画を撮る監督は要らない」と言って契約を解除してしまったという作品。
しかし、当時、映画館には沢山客が入っていてわけの分からん鈴木清順作品はなかなか人気があったそうです。
「ピストルオペラ」(2001)として続編というかリメイクされたもの。
「わけの分からん」という意味では日活社長と同感。
「わけが分からなくて腹が立つ」映画と「わけが分からんけど面白い」映画があるけど、これは後者。
前半、中盤、後半とそれぞれ違った雰囲気があるけど、どれも好ましい。
真理アンヌが怪しい。
後半の殺し屋ランク1位と3位の争いはかなり可笑しい。
あまり知識が無いせいか、アクションもいろいろ工夫があるように思え、私としては楽しめた。
主題歌とかモノクロの絵とか、その当時の雰囲気が好きなのかもしれない。
「愛のコリーダ」
言わずと知れた猥褻と騒がれた問題作。
もう30年も前だから、今とは随分感覚が違うのだけれど、やはりエロくて良い。
阿部定を扱ったものは沢山あるのだろうけど
にっかつの名作、田中登、宮下順子の「実録阿部定」を見たかとがある。「愛のコリーダ」は初めて。
松田英子の定の可愛さと藤竜也の吉蔵の優しさが凄まじい。「愛」の世界。
松田英子はこの作品で出たのだけど、阿部定のキャスティングが見事にはまっている。
映画の9割方が性描写なんですね。
「天使の恍惚」
これは時間的にも内容的にもキツかった、途中かなり眠ってしまった。
爆弾テロの危ない映画。上映後、次々に映画と同様の事件が起こり製作者が後で糸を引いているとまで思われ上映が打ち切りになったそうだ。
意識がはっきりしている時にもう一度見たい。否、もういいか。
若松孝二監督はかなり以前になるが、やはり文芸座のオールナイトで「犯された白衣」を見た。ラストの機動隊突入が印象深い。文芸座の館内チラシに「実録・連合赤軍-私達は若松孝二にこの映画を撮らせたい」と言う物があった。2008年完成予定のようだ。
若き山下洋輔トリオ(山下洋輔、中村誠一、森山威男)の演奏シーンが見れただけでも良かった。全編に流れる山下洋輔フリー・ジャズ。
「シャブ極道」
今回、この作品はあまり興味が無く、ここで少し朝まで寝ようぐらいに思っていた。ところが時間的に目が冴えて来た事もあって3時間弱に及ぶ長編も最後までしっかり見た。
今回では一番まともな(?)映画。けっこう面白かった。
これはビデオにする時、とにかくタイトルがけしからん。と言うことでモメたそうで。ビデ倫は中身を見ずにけしからんと言っていて話にならなかったとか。
まぁ、強烈なタイトルですわな。
大阪地区の昭和48年ころから阪神大震災、復興あたりまでの物語。
役所広司の演じる極道、真壁五味はシャブ中だが、身体に合っていて健康のためにシャブをやっている。シャブで日本中を幸せにするとの信念を持って世の為に行っている。
そのうち体内に自然とシャブの成分が作られるようになり神になると信じている。
ラストではシャブにつかった血がキラキラと美しく輝いていたりする。
大組織の幹部神崎の女、鈴子を誘拐同然に強奪して妻とする。この鈴子役は早乙女愛なんですね。役の年齢と女優の年齢が合致してくるあたりからの早乙女愛がとても良いです。
上の画像はポスターだかビデオのジャケットでしょうけど、これはいただけません。映画の雰囲気を表しているとは思えません。
新文芸座を出た時は既に朝の7時を回っていて明るく、咲き始めた桜がまぶしかった。
2006年3月25日~26日
池袋 新文芸座
トークショー:鈴木清順監督、若松孝二監督、足立正生監督、細野辰興監督、(ホスト)林海象監督
「殺しの烙印」(1967)鈴木清順監督
「愛のコリーダ」(1976)大島渚監督
「天使の恍惚」(1972)若松孝二監督
「シャブ極道」(1996)細野辰興監督
志らくのシネマ落語が新文芸座でやっているから、このようなイベント情報を知って行ってしまったではないか。オールナイトなんて何年振りだろう。
今回はいろいろモメた問題作のオンパレード、まずはトークショー
日本映画ファンは良く知っている事なんでしょうが
鈴木清順共闘事件っていうのがあったんですね。
足立正生(出口出)と若松孝二の危険な話など・・・
「モメている監督ほど長く撮っているし、いいものを撮っている」
映画というものを使って何を表現していくかという意味で確かにそうかもしれない。
「殺しの烙印」
今回はこれが見てみたかった。
鈴木清順共闘の問題作。
日活の社長が「わけの分からん映画を撮る監督は要らない」と言って契約を解除してしまったという作品。
しかし、当時、映画館には沢山客が入っていてわけの分からん鈴木清順作品はなかなか人気があったそうです。
「ピストルオペラ」(2001)として続編というかリメイクされたもの。
「わけの分からん」という意味では日活社長と同感。
「わけが分からなくて腹が立つ」映画と「わけが分からんけど面白い」映画があるけど、これは後者。
前半、中盤、後半とそれぞれ違った雰囲気があるけど、どれも好ましい。
真理アンヌが怪しい。
後半の殺し屋ランク1位と3位の争いはかなり可笑しい。
あまり知識が無いせいか、アクションもいろいろ工夫があるように思え、私としては楽しめた。
主題歌とかモノクロの絵とか、その当時の雰囲気が好きなのかもしれない。
「愛のコリーダ」
言わずと知れた猥褻と騒がれた問題作。
もう30年も前だから、今とは随分感覚が違うのだけれど、やはりエロくて良い。
阿部定を扱ったものは沢山あるのだろうけど
にっかつの名作、田中登、宮下順子の「実録阿部定」を見たかとがある。「愛のコリーダ」は初めて。
松田英子の定の可愛さと藤竜也の吉蔵の優しさが凄まじい。「愛」の世界。
松田英子はこの作品で出たのだけど、阿部定のキャスティングが見事にはまっている。
映画の9割方が性描写なんですね。
「天使の恍惚」
これは時間的にも内容的にもキツかった、途中かなり眠ってしまった。
爆弾テロの危ない映画。上映後、次々に映画と同様の事件が起こり製作者が後で糸を引いているとまで思われ上映が打ち切りになったそうだ。
意識がはっきりしている時にもう一度見たい。否、もういいか。
若松孝二監督はかなり以前になるが、やはり文芸座のオールナイトで「犯された白衣」を見た。ラストの機動隊突入が印象深い。文芸座の館内チラシに「実録・連合赤軍-私達は若松孝二にこの映画を撮らせたい」と言う物があった。2008年完成予定のようだ。
若き山下洋輔トリオ(山下洋輔、中村誠一、森山威男)の演奏シーンが見れただけでも良かった。全編に流れる山下洋輔フリー・ジャズ。
「シャブ極道」
今回、この作品はあまり興味が無く、ここで少し朝まで寝ようぐらいに思っていた。ところが時間的に目が冴えて来た事もあって3時間弱に及ぶ長編も最後までしっかり見た。
今回では一番まともな(?)映画。けっこう面白かった。
これはビデオにする時、とにかくタイトルがけしからん。と言うことでモメたそうで。ビデ倫は中身を見ずにけしからんと言っていて話にならなかったとか。
まぁ、強烈なタイトルですわな。
大阪地区の昭和48年ころから阪神大震災、復興あたりまでの物語。
役所広司の演じる極道、真壁五味はシャブ中だが、身体に合っていて健康のためにシャブをやっている。シャブで日本中を幸せにするとの信念を持って世の為に行っている。
そのうち体内に自然とシャブの成分が作られるようになり神になると信じている。
ラストではシャブにつかった血がキラキラと美しく輝いていたりする。
大組織の幹部神崎の女、鈴子を誘拐同然に強奪して妻とする。この鈴子役は早乙女愛なんですね。役の年齢と女優の年齢が合致してくるあたりからの早乙女愛がとても良いです。
上の画像はポスターだかビデオのジャケットでしょうけど、これはいただけません。映画の雰囲気を表しているとは思えません。
新文芸座を出た時は既に朝の7時を回っていて明るく、咲き始めた桜がまぶしかった。
女性賛美映画なので、これは大船の伝統です。
これと『少年』は、大島渚が松竹の伝統を背負っていた監督だったことを表していると思いますね。
このオールナイト懐かしい。そして素晴らしい企画だったなと。なるほど、女性賛美映画の系譜ですか。(解ってんのか?)
「少年」は本当に見ておきたくなってます。劇場にかかるのを張っておきましょう。ちょいちょいかかるから。
大島渚は「太陽の墓場」もまだ見れてないんですよね。