JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「愛しのトム・ミックス」

2009-10-10 | 映画(DVD)
「キューバ映画祭2009 国際映画テレビ学校×ガルシア=マルケス」

「愛しのトム・ミックス」1991年 メキシコ・キューバ 監督:カルロス・ガルシア・アグロス
Mi querido Tom Mix 

映画がまだサイレントだった1920年代、田舎町に住むホアキーナの楽しみは、映画に行って、西部劇のヒーロー、トム・ミックスを観ながら空想を膨らませることだった。夫に先立たれたホアキーナも老齢に入り、ボケ始めたとして甥の家に世話になっている。
親戚の子供が長期滞在することになり、ホアキーナは少年相手に自らの空想の物語を話始める。そんな時、町に強盗団がやってきて、ホアキーナは、トム・ミックスに手紙を書いて、助けてもらおうとするのだが・・・。

劇中登場するトム・ミックスのサイレント映画。
モノクロ撮影して早回しによって20年代の映画に見せている。劇伴も素敵な雰囲気。
そんな映画なので古き映画へのノスタルジーな愛を中心にした作品なのかと思い楽しみにしていたけど、そのあたりは今ひとつ食い足りない。
ウディ・アレンやティム・バートン、タランティーノを想像してしまうからかな。

むしろ、甥夫婦と同居している老夫人フアキーナの夢見る乙女心。そして少年との交流。

インディオ顔の婆さんフアキーナ(アナ・オフェリア・ムルギア)がどんどん可愛らしく見えてくる。
この可愛さ、どこかで見たような・・・あ、「猿の惑星」のジーラか。

放浪で町に流れ着いた老カウボーイに「甥の嫁アントニオとはウマが合わず、私のことを嫌っている」と語るフアキーナ。
確かにアントニオの老夫人に対する態度はやっかいもの扱いで、小さな親戚の子フェリペも見かねて「年寄りをいじめるのはいけない」とガツンと言ってやろうとするぐらい。(結局、機を逸してガツンとは言えなかったけど・・・)
しかし、後半にアントニオのご主人はアントニオが老夫人に対してある事で素敵な気遣いをしていた事を知る。知られた時のアントニオの反応。
強盗団の襲撃などハチャメチャな方向に向かってしまう展開の中で、ふと心温まってしまたなぁ。

いかにも西部っぽいロケーションも魅力的。

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2 コメント

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Unknown (くり)
2009-10-10 11:22:25
モノクロの早回しとは面白そうです。「悪魔の手毬唄」のなかで、昔の映画(大河内伝次郎の「丹下左膳」やディートリッヒの「モロッコ」)を挿入し、不思議なリズムを作っていたのを思い出しました。わたしは相変わらず邦画ばかりで、昨日は山本富士子を見ました。残念ながら「片目の男」はスケジュールが合わず、見られそうにありません。
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Unknown (imapon)
2009-10-11 11:32:17
くりさん、こんにちわ。
昔から中南米が好きなのでついついこのような物に走ってしまいがちです。
「片目の男」残念ですね。新文芸座は1日ポッキリの上映が多いのでなかなかスケジュールが難しいですね。
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