JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「執念の蛇」

2009-09-12 | 映画(DVD)
「妄執、異形の人々Ⅳ」

「執念の蛇」1958年 大映 監督:三隅研次

かつて恋仲だった清二郎が伊勢屋の娘・千代と結婚すると聞いた歌次は嫉妬にかられ、番頭の彦六らと共謀して伊勢屋を乗っ取ったうえ千代を殺害する。欲に突き動かされるまま彦六たちまで手にかけた歌次の前に立ちはだかったのは…!?

1時間足らずの蛇怪談もの。しかし、内容はやけに充実していないか。明快なストーリーでこれが意外と面白い。中川信夫の「怪談蛇女」よりこっちの方が良いんでは。

蛇女優(私生活で蛇を飼いならしていたんだとか)と云われた毛利郁子、踊りの師匠歌次の徒な姿、妙に色っぽくもあり毒婦ぶりが素晴らしいじゃないですか。良い年増だ。
この女優さん調べると「透明人間と蝿男」で蝿男に女体探検されるダンサー役の方。その後、私生活でもこの映画のように包丁で刃傷沙汰。現役映画女優、史上初の殺人事件を起こしてしまったらしい。刑期を終えた毛利郁子は銀幕に復帰することなく、ひっそりと結婚生活に入ったとか。勿体なかったね。
そしてこの殺人事件のエピソードがまた映画のように美しいので、無責任にも毛利郁子半生記の映画化を希望。

現役映画女優愛人刺殺事件

日本舞踊を踊る歌次の手ぬぐいがいつのまにか蛇に変わっていたり、怪奇演出も楽しい。

蛇好きな女優さんらしいから多量の蛇ちゃんたちにまとわりつかれて苦悶するも、気持ち良さそう。
最後は蛇ともども水中に没し艶かしい肢体に蛇がからむ。

可愛らしい娘お千代(美川純子)の殺害シーンと川に浮かぶ死体のおぞましさも満足度大。

正義の味方、浪人の竜之介(島田竜三)の目ばりが気になって。どうでもいいんだけど。

シネマヴェーラ渋谷

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