JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「芸者小夏 ひとり寝る夜の小夏」

2015-02-21 | 映画(DVD)
「日本映画紀行 花街のともしび」

「芸者小夏 ひとり寝る夜の小夏」1955年 東宝 監督:青柳信雄

自分の名儀になっていない家に唯一人、虚ろな心を抱いて寝起きする夏子は再び芸者になるのがいやだった。楠見社長に信任の厚かった川島が何かと夏子の相談にのってやっていたが、ある時実業家で楠見の親友だった佐久間に彼女のことを依頼した。佐久間は満更でもないのだった。内心夏子に惚れていた川島は誰にも彼女を取られたくなかったが、さりとて自分の金で世話もできなかった。所詮、誰かの力を頼らなくては生きて行かれない芸者の運命、夏子は再び旦那をとる心を決め、佐久間に抱かれるのであった。

毎度1958年の岡田茉莉子の美しさを讃えているけど、これはさらに若く55年の作品、しかも芸者って事で茉莉子さん目当ての大期待・・・
でも、綺麗だけれど何か不発。メイクの関係でしょうか・・・富士額と細眉が・・・。
とにかくこの人の美しさは儚いって事で微妙なのです。本作では茉莉子さんの作るシナを楽しみます。

ところが古い映画っていいね。それ以上に満足できるのがあの踏切のロケーション。何処でしょうか。
妾宅のある郊外、踏切から坂になっていて、レトロな車両が走り抜けるだけで嬉しくなる。しかもその光景の後に銭湯の場面になり茉莉子さんの入浴シーン。堪りませんな。
日本映画旧作探訪は美女と鉄道の良いのんが見れれば、それだけで幸福。

志村喬。財界の大物・佐久間(日本で20人に入るって言ってました)根はすけべなはずなのに微塵も見せない。それでも嫌味が出ない。カッコ良い。
夏子に対して打つ妾論。至極正論であるし・・・、妾を持つ資格のある男って感じが良い。

森繁久弥のコメディアンぶりはいつもながら楽しい。今回は偉くない人、平社員の川島。
この人は晩年、あんなにならなく生涯コメディアンであればもっと支持して追っかけた事でしょうに。
デパートに夏子の風呂釜の買い物に付き合っているところ、奥さんに見つかってる。

脇役で冴えているのが中北千枝子。先輩芸者。この人も偉大なる端役でいつも画面が締まるようです。
あと、びびんのびんちゃん事、楠敏江が女中役で、妊娠かと思えば盲腸だったり、良い味出してます。
志村喬が汚職で連行される朝のグッジョブを志村さんから褒められます。う~ん、やっぱり本作の志村喬がカッコ良い。

シリーズ第2作だったんですね。1作目も観てみたい。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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