JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「大人のオモチャ ダッチワイフレポート」

2008-04-26 | 映画(DVD)
ラピュタ阿佐ヶ谷 「愛と官能のプログラム・ピクチュア 日活ロマンポルノ名作選」より

「大人のオモチャ ダッチワイフレポート」1975年 日活 監督:曽根中生

医師は異様な情熱を燃やし、南極調査隊員たちのために高性能ダッチワイフBB号をつくった。しかし帰国した隊員たちは生身の女性に欲情しなくなり…。
大和屋竺(脚本)と曽根中生コンビが、人形と人間の境界を無化する壮大でマニエリスティックなテーマに挑んだ異色作。

キャハハハ、日活ロマポはこういうバカバカしい企画がたまにある所が良いのですね。

まず北極基地のセットが泣かせます。基地内はどうみても安アパートのキッチン。そこで何故かストップモーションの演技をする役者たち。
この映画は私のご贔屓男優、益富信孝が北極越冬隊の医師役。表向きは隊員のメンタル健康管理のためダッチワイフBBの開発、修理にあたるのみでご本人は使用していない事になっているんだけど、実はBBを焼却処分したと見せかけ、こっそり自宅に持ち帰り可愛がっている。看護婦との情事もあくまでダッチワイフ研究のためであり何やら真面目に体温データを取りながらいたしております。

益富信孝が隊員に嫉妬してBBを責める時のバカバカしさ。私が特にツボだったのはBBのモデルが人形師の元妻だと解り逆上。「BB、お里が知れたな!」と責めに入るシーン。
益富信孝が求める究極のドールのモデルは自分を捨てた高慢な女の妹(ひろみ麻耶)なのです。この屈折具合。妹も、姉と同様の対応でからかうというか挑むというかなかなかやります。

何処までリアルかは不明なれど、人形師が抜き型に樹脂を流し込むといったダッチワイフ製造工程が描かれているところも値打ち。
1970年代にも関わらず最後に作った人形など、21世紀の等身大ドールも顔負けの精巧さである(そりゃ、本物のひろみ麻耶だからなんですが

ラスト、ひろみ麻耶が神宮の歩道橋を歩いている所で唐突にEND。
呆気に取られるエンディングに場内から再度笑いが・・・

こんな作品でも大和屋竺がいつもと違った形で楽しみを与えてくれる。憎いね、どうも。

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