JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「鉛の墓標」

2008-04-01 | 映画(DVD)
シネマヴェーラ 「若松孝ニ大レトロスペクティブ」より
「鉛の墓標」1964年 ダイヤプロ 監督:若松孝ニ

のしあがるためならば自らの愛する人を殺すことも厭わない一人のチンピラが、最後には同じ論理によって、その座を追われていく。

警察に追われ負傷した若造が謎の男(寺島幹夫)に助けられる。男の情婦と若造の会話からちょっと良さげな展開を期待したんだけど・・・・

チラシには
「全体を貫くハードボイルドタッチの優れた演出が初期作品の実力の高さを示している。」とあるけど、ああ、やっぱり初期作品なのだなぁといった感想。

確かにハードボイルドタッチで迫ってはいるものの、なんだか7時半頃から始まる子供番組ハードボイルドみたい。見てないので勝手な思い込みなんだけど月光仮面やまぼろし探偵のハードボイルド面ってこんな感じかもなんて思ったり・・・

尤も子供向けに裸や濡れ場は無いでしょうけど。
音楽もいかにもと言ったJAZZがチープさを増すマイナス効果に感じたり・・・

そのうえこの日は陽気も良く、珍しく薄着だったので館内の空調がちょっと寒くて(私だけかもしれないが)集中できない。

若造役は「日本暴行暗黒史 怨獣」で好色な相棒を演じた野上正義。若松プロの俳優さんたちを短期集中で見ているせいか、かなりいい顔した役者が多いように感じる。
「女はみんなメス豚だ、でも子供を産むと女は変っちまう、ママっていう奴に。そして俺はママって奴に弱いんだ」
結局ボスの命令通り愛する女も消してしまう(彼のキャラクターから今一説得力無いんだけど)その女もママになるはずだったのにね。

ボスの命令で殺し屋稼業の坊や(あ、そうそう名前思い出した、ミツグでした。「名乗らないと坊やって呼ぶわよ」って寺島幹夫の情婦が言ってました。)

日劇の前である男を狙撃する場面、男の背後のポスターが「去年マリエンバートで」
古い洋画で是非一度見ておきたいと思っている映画。
このシーンはなかなかオシャレでした。
映画の中でこういう使われ方しているのを見ちゃうとますます「去年マリエンバートで」への憧憬を感じてしまうのでありました。

にほんブログ村 映画ブログへ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 筒井康隆 「ダンシング・ヴ... | トップ | 映画 「タクシデルミア あ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事