JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「川の底からこんにちは」

2010-05-20 | 映画(DVD)
第19回PFFスカラシップ作品

「川の底からこんにちは」2009年 PFFパートナーズ 監督:石井裕也

上京して5年目、中の下を自称するOL佐和子(満島ひかり)彼氏であり職場の上司、健一(遠藤雅)とその連れ子、加代子とともに仕事にも恋愛にも「妥協」の二文字を胸に悶々とした日常をやり過ごしていた。
実家でしじみの加工会社を営んでいる父、忠男(志賀廣太郎)が病に倒れたとの連絡が入るり、帰る決心をするが、実はこのどさくさにまぎれ、先に会社を辞めていた健一が娘の加代子とともに佐和子の帰郷について来てしまう。
受難の続く佐和子。それでも父の後を継ぐかたちでしじみの加工会社で働き始めるのだが…。

若き才能の監督でこの作品、やけに評判が良い。
前半部の微妙なユーモアにやや置き去りにされた感はあったものの、確かにこの時代、この映画は元気が出るわ。

中の下で、さえない妥協の娘が、開き直って前向きにがんばる。
大多数の中の下の人々が皆、このように開き直って頑張るしかないという徹底したポジティブ思考になれるかといえば、そうではない。
その背景には父親の存在がある。父と娘の物語として秀逸。
自分を見守ってくれている存在。その存在に気づくことのできる素養というものが不可欠。

ダメ男の健一にエコライフなんて言っていて地球に失礼だよと一刀両断するあたりから、その片鱗を見せ始めます。

ダメ男の遠藤雅(いい味出してます)は、佐和子の幼馴染と浮気になっても、全て他人のせいで謝ることのできないどうしようもない奴。それでも佐和子や老漁師の「男は旅人」の言葉に触発されたか・・・最後は思いっきり大きな声で謝ることができた。果たして佐和子に引っ張られながら、がんばってまともな人生を歩むことができますでしょうか。最初だけかな・・・

いろいろ身につまされる内容もどんどん引き込まれ最後の方のユーモアには素直に笑えましたな。

あの親父、志賀廣太郎がとっても良いんだよな。
そのしじみ加工会社社長の親父が、従業員のおばはんのほとんどに手を付けていたという設定にするんだから、一筋縄ではいかない。

満島ひかり
今、とっても旬な女優さん。
どうもウルトラマン・マックスのエリーの時の、あのアンドロイドでありながらのぷっくりお腹を見てからというもの萎えてしまうのだけれど、女優として確実に成長しているみたいです。しじみ加工所従業員の前で井森美幸ばりに開き直ってまくしたてる様が良かったですね。
これなら、長くて心配だけど「愛のむきだし」も観ていいかなと思ったりして・・・

あの社歌はモチベーション・アップに最適。けっこうああいうの好きなのよね。
直立して思いっきり大きな声で歌うと気持ちいいよ。テレちゃダメですよ。

渋谷 ユーロスペース

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2 コメント

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こんばんは☆ (そよ)
2011-03-03 22:20:03
TB、ありがとうございます

満島ひかり、私も「愛のむきだし」観てもいいかな~ なんて思いました
“井森美幸ばりに”かぁ! ホントそうでしたよね、上手いこと言いますね

あの開き直ったシーン、爽快でした
みんな中の下 どこが悪い って

今後がヒジョーに楽しみな女優さんであります
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Unknown (imapon)
2011-03-06 07:28:09
そよ様、コメントありがとうございます。
私はこのあと「愛のむきだし」観ましたよ。
あちらもよろしいですが、それよりもっと素晴らしかったのが、偶々観た深夜TVドラマに出ていた満島ひかり。
「モテキ」という番組でした。
ヒジョーに楽しみな女優さんですね。
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