JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」

2008-02-12 | 映画(DVD)
フィンランドの巨匠、アキ・カウリスマキの映画を初めて観に行った。
もともと、この映画は観ておかなくてはと思ってはいたんです。

「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」フィンランド・スウェーデン
1990年 監督:アキ・カウリスマキ

最果てのツンドラ地帯を中心に活動していたレニングラード・カウボーイズに“アメリカへ行くことが唯一の希望だ”と仕事を持ちかける悪徳プロモーター。彼らは勢い込んでアメリカへ乗り込む。しかし、そこで見つけた最初の仕事はメキシコでの結婚披露宴の演奏だった。さっそく巨大なキャデラックを準備し一路メキシコを目指すレニングラード・カウボーイズだが…。アメリカ、そしてメキシコへと旅を続けていくおとぼけロードムービー。

カチカチに固めたとんがりリーゼントに、同じように爪先のとがった靴をはいた楽団、レニングラード・カウボーイズ。黒眼鏡で無表情に演奏する彼等のスタイルがカッコ良く、ロシア版ブルース・ブラザースといったところ。
とにかくとんがる事こそ意味があると言わんばかりのバカバカしい出で立ちが良いね。リーゼントとくればR&Rの象徴って感じだけど何故か民族音楽集団。やがて客に受けるためロックンロールの譜面を健気に勉強する彼等はユニークなR&Rバンドに変貌。R&Rも魅力的だけれども元々の音楽、これがなかなか素敵なのです。冒頭の「ポーリュシュカ・ポーレ」ったら、良いのですこれが・・・

彼等の演奏を聴き、アメリカでは無理、メキシコ行きを進めるのは卓見!
ロシアの民族音楽とラテン音楽。まったく正反対のようでも、なんだかバカバカしい(褒め言葉)共通点がありそう。
音楽だけでなく映画も同様。
アメリカ映画よりロシア映画、メキシコ映画、又はロシア、メキシコを舞台にしたものを好んでしまう。

道中、偶然再会するメンバーの従兄弟。これが4歳の頃壮絶なる体験でアメリカに渡っていたのだが、楽器が出来ないのならヴォーカルってんで歌うは「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」
この歌いっぷりのバカバカしさ。
やっぱり彼だけアメリカナイズされていて妙に浮いているのがまた可笑しい。

搾取し続ける悪徳マネージャーとか、ツンドラ時代からの追っかけオヤジ、イゴールのキャラクター(とにかく奇行が目に付きます)などユーモアも独特。

それでいて呆気にとられるラスト。凍った死体はドライヤーとウォッカでいとも容易く解凍復活するし・・・
え?これで終わっちゃうの?
そこがまた不思議な雰囲気を醸し出していました。

好きだったギャグを3つ。沢山あるのだけれどキリが無いので3つだけ。

アメリカに渡ったまま行方が知れないお爺ちゃんの写真がリーゼントのリンカーン。

マネージャーが車中バドワイザーを1人で飲んでいて空き缶を後部シートに投げ捨てている。
目的地に着いて一同がドアを開け出てくると大量のバドワイザー缶がこぼれ出てくる。

許可無く同僚の死体を埋葬しようとして警察に捕まり4,5日留置。手持ち無沙汰でバドワイザー缶を叩く彼等。それが1日1日と盛り上がるパーカッション・セッションになって行く。

5年後に作られたという続編ってどうなんでしょ。

高田馬場 早稲田松竹

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