JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ラ・ジュテ」

2010-02-06 | 映画(DVD)
「テリー・ギリアムはいかにして着想を得、撮影現場で苦悩し、作品を生み出すのか?」

着想編 「ラ・ジュテ」1962年 仏 監督:クリス・マルケル

全編スチール・カットで撮った中編SF映画。人類が絶滅した未来からその原因となった出来事を探るため過去にタイムトラベルした男は一人の女性と知り合う。何故か見覚えのあるその女性と行動を共にするうち、彼は幼いころ飛行場で彼女を見たことを思い出す。二人はやがて全ての出来事の根源となる飛行場へとたどり着くのだが…

「12モンキーズ」の興奮冷めやらずにその着想となったとされる30分弱の中篇。
モノクロのスライドショーというか紙芝居というかゴルゴ13というか・・・それに乗せて静かなナレーション。フォトロマンと言うのだそうだ。30分弱というのはこの手法にとって最適な時間では。

芸術的な魅力に溢れるモノクロスチールが1、2秒ずつ変わっていく。オーバーラップで第三次世界大戦後の廃墟の街の様子を見せる。動画とは違った、むしろ動画以上に動的なものを感じる事ができる。
1枚1枚のスチールだけでも魅惑の世界が鑑賞できるが、そこに絶妙の編集が加わるのだから堪らない。

そして油断しているとワン・シーンだけ絵が動いた。

未来人が「Meet The Beatles!」みたいな影を伴い登場。
この作品に着想を得たのは「12モンキーズ」だけではないのかも。

ところで着想を得た「12モンキーズ」試写会で同時上映されるまでテリー・ギリアムは「この映画、見たことなかった」と言ってたって?やっぱり見ない事によって良い結果が生まれたんでしょうか。

早稲田松竹

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2 コメント

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Unknown (tak)
2010-02-06 12:12:18
初めて観たとき、衝撃でした。
静止画が移り変わっていくだけなのに、こんなのを作ることができるんだって。そういえば「12モンキーズ」観たことがなかった・・・。

今だったらパワーポイントでもなんかできないかな・・・って思っちゃいます。
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Unknown (imapon)
2010-02-10 08:38:10
takさん、コメント感謝。
>静止画が移り変わっていくだけなのに、こんなのを作ることができるんだって

これはちょっとショックでしたね。並のトーキー映画より無声の名画の方が有言だったりする感覚に似て・・・
「12モンキーズ」は多分DVDで観る事になるんだろうと思っていたのでこの上映は嬉しかったです。
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