JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」

2009-10-18 | 映画(DVD)
世紀の天才と讃えられながら、突然路上に消えた孤高のアーティスト

「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」1965~2008年 カナダ

1965年から72年にかけて、たった4本の短編作品を残し、2007年にこの世を去った伝説のアニメーション作家ライアン・ラーキン。わずか25歳にしてアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされるなど、瞬く間にその名を世界に轟かせた彼だったが、若すぎた成功と創作へのプレッシャーに追い詰められ、やがてすべての栄光を捨て、ホームレスとなり道行く人に小銭を求めて生きることを選ぶのだった・・・

上映作品
「ライアン」2004年 監督:クリス・ランキンス
「ライアン・ラーキンの世界 特別版」2004年 監督:ローレンス・グリーン
「シランクス」1965年 監督:ライアン・ラーキン
「シティ・スケープ」1966年 監督:ライアン・ラーキン
「ウォーキング」1968年 監督:ライアン・ラーキン
「ストリート・ミュージック」1972年 監督:ライアン・ラーキン
「スペア・チェンジ 小銭を」2008年 監督:ライアン・ラーキン ローリー・ゴードン

時代が早すぎた天才というのがある。ライアン・ラーキンもそんな天才なのかなと思って観たが、どうも違うようです。決して時代が合わなかったわけではないようです。
早すぎた成功?
その非凡な観察眼故に一旦路上で物乞いをしてみるとその面白さに囚われてしまったようにも想像できる。3日やったら止められないって奴。普通は1週間もやったら嫌になるって所だろうけど。
若く健康そうな風体でもって何をするでもなく帽子を差し出し小銭を要求する姿。
商業的な成功への執着が薄かったのか・・・いろいろ想像しながら圧倒的なアニメーションを見る楽しさ。

やはり「ウォーキング」の決して古びることのない魅力。
一度このアニメーションを見てしまえばアニメーションとして動かなくてもあのデッサンを見ているだけで脳内で自由に動き出す。
「ストリート・ミュージック」も後世に多くの影響を与えた事でしょう。目まぐるしく変身するアニメーションの楽しさと驚き。この作品は淡いパステル調の色使いも大好き。
意外な事に初期の木炭画の作品「シランクス」・・・これがまた頗るお気に入り。

ライアンを21世紀に再び甦らせたクリス・ランキンスの作品「ライアン」は3Dで異形の物を表現するその世界感が面白い。この心理的不安を現すキャラクターたちを使った作品をもっともっと見たい。

残念ながら「スペア・チェンジ 小銭を」はあまり好みでなかった。
数あるアニメ手法の中であの手法を選んだのには考えがあっての事なんだろうけど。ライアン・ラーキンが単独で復帰作を仕上げていたら・・・なんだか、それでもやっぱり好ましい作品になったようには想像しにくい・・・

何はともあれ、この映画一本でもってコンプリートできちゃうんだから・・・DVDなら持っていても良いな。

「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」予告編

Ryan (parte 1)

渋谷 ライズX

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