「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

雌阿寒岳に登る(3) オンネトーへ

2010-07-23 21:38:59 | 道東の山々
                                      (写真: 阿寒富士のコルへ下る)

7月17日(土) 雌阿寒岳の登山記録③

雌阿寒岳山頂から火口の淵を進み、阿寒富士との間に広がるコルに下っていく。

上りとは別ルートのオンネトーコースで下山することにした。

砂礫地を下るのは思わぬ苦行。ズルズルと足がとられて、何度も転びそうになる。

後続の登山者たちも足を滑らせる音が耳につく。

足の裏の感覚を最大限に研ぎ澄ましながら、膝を柔らかくして小幅に歩を進める。振り返ると、山頂は尖っ台形であることを知る。


(写真: 雌阿寒岳の山頂)


コルから仰ぎ見る阿寒富士は、急斜面ながら、直感としては30分ほどで登れそう。

しかし、登ってしまえば、次回の楽しみもなくなる。5分ほど上がって、来し方の雌阿寒岳を眺めて退却する。

阿寒富士に登る5人のパーティーはみんなで演歌を歌っていた。先日のNHKの「ためしてがってん」で演歌のテンポで登ると疲れないと放送していた。

テレビの力に感心。

コルに戻ると、その先はオンネトーを見ながらの下山。この道筋は飽きることがない。

秋になると肉厚の葉が真紅に燃えるウラシマツツジに小さな釣鐘状の花がついていた。

この花は初めて見たので、ちょっと得した気分になる。


(写真: 阿寒富士に登る途中から見た雌阿寒岳)


(写真: オンネトー登山口に向かって下山する)


(写真: ウラシマツツジの花)

砂礫地からハイマツ帯、そしてアカエゾマツの森林帯へと下山のテンポは快調に進む。

木漏れ日がさくっと差すアカエゾマツの林床にはゴゼンタチバナが多く、ランやイチヤクソウの仲間も凛と静かに咲いていた。


(写真: アカエゾマツの森)



(写真: ゴゼンタチバナ)


(写真: カラフトイチヤクソウ?)


(写真: アリドオシラン)

オンネトー登山口からは湖畔のアカエゾマツ林を縫う遊歩道を歩いて、野中温泉登山口に戻る。

オンネトーは近くで見てもコバルトブルーで、小さいが奥深い魅力を放つ独特の存在感が素敵だった。

登山口から車でビューポイントに。絶景を心に刻んでから野中温泉で疲れを癒した。


(写真: 倒木が沈むオンネトー)


(写真: オンネトーに構える雌阿寒岳と阿寒富士)

■登山記録 2010年7月17日(土) 晴れ/時々曇り
09時00分: 野中温泉(雌阿寒温泉)登山口から入山
09時40分: 三合目 ハイマツ帯に
09時55分: 四合目 砂礫地にメアカンフスマの群落 オンネトーも眺望
10時35分: 六合目
11時10分: 八合目 大勢の登山者が小休止
11時20分: 九合目 火口壁に
11時30分: 山頂
12時20分: 下山開始(オンネトー・コース)
12時40分: 阿寒富士との分岐
13時00分: 阿寒富士から中途退却して、下山ルートに戻る
14時45分: オンネトー登山口に下山 遊歩道を進む
15時40分: 野中温泉登山口に戻る
野中温泉ユース 200円 新鮮で力強いお湯 硫黄の匂いを感じる