最

「取」という漢字は、前に何度かご案内の通りに「耳」と「又（また）」でできている。また、「又」は「手」の字形を示す。
「取」の甲骨（こうこつ）文字の左側にかかれている少しいびつな三日月のような形が「耳」。この「取」は左耳を手で切り取る形の文字だ。
戦争で討ち取った証拠に、敵の左耳を切り取って持ち帰り、その数で功績を数えた。
　そのことから、すべての「もの」や「こと」について「とる」の意味になった。

「最」は字形に「取」を含んだ漢字。「最」の上の「曰」の部分は、もともとは「（ぼう）」という字で、頭巾の形。例えば帽子の「帽」という字の旁（つくり）（文字の右部分）の「曰」も「」で、頭巾だ。深く頭巾を被り、目だけ出している形の文字が「帽」。
　そこで「最」の古代文字を見ると、頭巾が袋のようになって「取」を覆っている。
　きっと「左耳」を取りすぎて、手に持ちきれなくなり、耳を袋に入れて持ち歩いたと思える。
　このように左耳を最高に集めた功績第１の者を「最」という。

　「最」にもう１つ「手」を表す「扌」を加えた「撮(さつ)」も「取」が関連した文字。
　「撮」は手柄の証拠として戦場で切った左耳を「つまむように取る」というのがもともと意味だった。現代では映画や写真を撮影するというような意味に使われる。

そうでした、「娶(めとる)」は、、「女」を「取」るのでした。