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パラレル/今野敏(小説)

2008-11-24 00:00:43 | 読書
今回の記事は『パラレル』(今野敏、中公文庫)です。
この小説は警察小説であり、警察小説の範疇を超えている。
色んなジャンルが楽しめます。お得な一冊かもしれない。

■内容紹介 ※裏表紙より
横浜、池袋、下高井戸――。
非行少年が次々に殺された。
いずれの犯行も瞬時に行われ、被害者は三人組でかつ外傷は全く見られないという共通点が。
一体誰が何のために?
おなじみ碓氷部長刑事も広域捜査の本部にかり出されて……。
警察、伝奇、武道、アクション。今野敏がこれまで書き続けたジャンルを融合した、珠玉のエンターテインメント。堂々のサスペンス巨篇。

■感想
今野敏さん。今回初めて読む作家さんです。
よく行く本屋にコーナーが作られていて、前々から気になっていた作家さんでした。
「いつかは読んでみよう」と思っていて、最初に手にした本がこの『パラレル』でした。

この本を読んでいて思ったことがあります。
それは主人公は誰なのだろう? ということ。
確かに主人公らしい人はいる。
が、パッと考えただけでも3~4人は主人公候補が。
それもそのはず、これらの人たちは今野敏さんの他の作品では主人公だった人たちとのことです。
つまり今作は他作品の主人公たちの共演。
何という豪華な小説なんだろう、と今野敏ファンなら思うはずです。
僕は今回が今野敏さん初読みなのでそこまで思えなかったのが少し残念。

物語は不良少年たちが次々と殺されるという事件を追う、刑事たちの姿が描かれています。
けれどこの小説は単純な警察小説ではありません。
そこに武道の達人が絡んできます。
と、ここまでは多少は変わってはいるけれど、まだ普通と言える範疇。
けれどさらに、邪を祓うお祓い師、さらには歴史上の強力な術者の転生者までが登場してきます。
ものすごい展開です。
複合エンターテイメントとはこういう作品を言うのかもしれない。
一冊で二倍、三倍は楽しめます。お得だ。

今野敏さんの小説は僕が今までよく読んできた小説と比べると、だいぶ趣が違っていました。
僕が今まで読んできた小説は、切ない作品、トリッキーな展開が多かった。
この『パラレル』は切なさという要素はあまりない。
事件の黒幕は確かに意外ではありましたが、それほどびっくりはしない。
『パラレル』はどちらかというと王道で武等派(?)な作品だったと思う。
面白くはあったけど、どこか物足りないというのが正直な感想です。
(こればかりは人の好みだから)

書名:パラレル
著者:今野敏
ジャンル:小説(ハードボイルド/警察/伝奇/武道)
メモ:今野敏作品の主人公たちが共演している作品です。
おすすめ度★★★☆


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