今回の記事は『水没ピアノ -鏡創士がひきもどす犯罪-』(佐藤友哉、講談社文庫)です。
何だかすごい展開の本でした。最初の内は読んでて鬱に。けど、次第に読み止まらなくなる面白さがありました。
章タイトルのつけ方が上手すぎです。
■内容紹介 ※裏表紙より
工場で働く単調な日々に鬱々とするヒキコモリ気味の青年。
少女を見えない悪意から護り続ける少年。
密室状態の屋敷内で繰り広げられる惨殺劇。
別々に進行する三つの物語を貫くものは、世界を反転させる衝撃の一文と、どこまでも深い“愛”である。
――なぜピアノは沈んだのか?
著者渾身の戦慄純愛ミステリー!
■感想
佐藤友哉さんは初めて読む作家さんです。
この『水没ピアノ~』はタイトルに惹かれて本屋で衝動買いしたもの。
その時は副タイトルに全く気づかず、後になって気づいたのですが、この「鏡創士が~」という副タイトルが示すとおり、この作品は鏡家サーガというシリーズものであり、その3作目にあたります。
初めて読むにはちょっとどうだろう? という位置づけの作品です。
けれど、まぁ、なーんも問題はありませんでした。
鏡家が何たるかという知識なしでも十分に楽しめる小説でした。
『水没ピアノ』に出てくる主な登場人物は内容紹介にも書かれているヒキコモリ気味の青年、思い込みが激しそうで危うい感じのする少年、そして異常な事態にある一家の人たちです。
一見すると3つそれぞれバラバラな物語ですが、そこにはとある秘密が。
最初の内は読んでいるのがなかなか辛かった。
あまりにも暗い話だったからです。
読んでいてどんどん鬱になっていく。
3つの物語のそのどれもが暗く歪んでいる。
生きる気力が失せていくような凶器な展開はあまりにも危うい。
けれど次第にこの3つの物語に関連性が出てきます。
ある物語の脇役が、別の物語にも絡んできて、少しずつ鬱だけじゃない面白さが出てきました。
が! 実はそれこそ作者が仕組んだ巧妙な罠だったりします。
第七章『回答があたえられ、認識は逆転を起こす』以降、本当に世界が反転してしまう。
ここまで騙されたのは久しぶりかもしれない。
これは巧い。
この小説には戦慄純愛ミステリーというジャンルが与えられています。
この小説に描かれている愛は、一時流行った韓流ドラマの純愛とは全く違う。
純愛とは何か。はっきり言ってよくは分かっていない。
ひとつ感じたことは、純粋な愛と歪んだ愛というものは、ある意味で紙一重なのかもしれないということ。
一途な想いは時として歪んでしまう。
読み終えて、何点か「これはどういうことなんだろう?」という謎も残ります。
(特に最後の鏡創士の行動が謎)
しかし、それを飛び越える驚きがあります。
機会があったら読んでみて下さい。きっと驚かされます。
ま、最終的にこの小説に抱いた感想は「暗い!!」なんですけどもね…。
←ランキング参加中。よろしかったらクリックお願いします。
何だかすごい展開の本でした。最初の内は読んでて鬱に。けど、次第に読み止まらなくなる面白さがありました。
章タイトルのつけ方が上手すぎです。
■内容紹介 ※裏表紙より
工場で働く単調な日々に鬱々とするヒキコモリ気味の青年。
少女を見えない悪意から護り続ける少年。
密室状態の屋敷内で繰り広げられる惨殺劇。
別々に進行する三つの物語を貫くものは、世界を反転させる衝撃の一文と、どこまでも深い“愛”である。
――なぜピアノは沈んだのか?
著者渾身の戦慄純愛ミステリー!
■感想
佐藤友哉さんは初めて読む作家さんです。
この『水没ピアノ~』はタイトルに惹かれて本屋で衝動買いしたもの。
その時は副タイトルに全く気づかず、後になって気づいたのですが、この「鏡創士が~」という副タイトルが示すとおり、この作品は鏡家サーガというシリーズものであり、その3作目にあたります。
初めて読むにはちょっとどうだろう? という位置づけの作品です。
けれど、まぁ、なーんも問題はありませんでした。
鏡家が何たるかという知識なしでも十分に楽しめる小説でした。
『水没ピアノ』に出てくる主な登場人物は内容紹介にも書かれているヒキコモリ気味の青年、思い込みが激しそうで危うい感じのする少年、そして異常な事態にある一家の人たちです。
一見すると3つそれぞれバラバラな物語ですが、そこにはとある秘密が。
最初の内は読んでいるのがなかなか辛かった。
あまりにも暗い話だったからです。
読んでいてどんどん鬱になっていく。
3つの物語のそのどれもが暗く歪んでいる。
生きる気力が失せていくような凶器な展開はあまりにも危うい。
けれど次第にこの3つの物語に関連性が出てきます。
ある物語の脇役が、別の物語にも絡んできて、少しずつ鬱だけじゃない面白さが出てきました。
が! 実はそれこそ作者が仕組んだ巧妙な罠だったりします。
第七章『回答があたえられ、認識は逆転を起こす』以降、本当に世界が反転してしまう。
ここまで騙されたのは久しぶりかもしれない。
これは巧い。
この小説には戦慄純愛ミステリーというジャンルが与えられています。
この小説に描かれている愛は、一時流行った韓流ドラマの純愛とは全く違う。
純愛とは何か。はっきり言ってよくは分かっていない。
ひとつ感じたことは、純粋な愛と歪んだ愛というものは、ある意味で紙一重なのかもしれないということ。
一途な想いは時として歪んでしまう。
読み終えて、何点か「これはどういうことなんだろう?」という謎も残ります。
(特に最後の鏡創士の行動が謎)
しかし、それを飛び越える驚きがあります。
機会があったら読んでみて下さい。きっと驚かされます。
ま、最終的にこの小説に抱いた感想は「暗い!!」なんですけどもね…。
書名 | :水没ピアノ |
著者 | :佐藤友哉 |
ジャンル | :小説(ミステリ/戦慄な純愛/鬱) |
メモ | :鏡家サーガ3作目 |
おすすめ度 | :★★★★ |
←ランキング参加中。よろしかったらクリックお願いします。
ichi-kaさんのレビューを読むと面白そうですね。
私も、未読の本が溜まっていて、暗い部分がどうかと思いますが、いつか読んでみようかな?
水没ピアノはかなり鬱な部類の小説に入ると思うので、もし読むのだったら心を強く持って下さいね。(←薦める記事を書いておいてこれはないかも)
僕も未読の本は溜まりに溜まっています。小説に限らず漫画も買っても読まずに置いてあります。(何のために?)
これは自分でも少し呆れる。