風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句

濫読・雑読の風信子(ひやしんす)が気の向くままに、お気に入りの本を紹介いたします。

☆ 滋賀県は、避難計画のためにスピーディ(SPEEDI)の情報提供を国に求めて拒否されている。

2011年10月10日 | ☆政治・経済・世の中
3月の福島第一原発の事故発生により、滋賀県では早くも5月には災害対策の見直しを検討しています。

その際に、放射能の汚染拡大の予測参考のために、国に、放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報を提供依頼をしてきました。

なぜか、再度依頼をしても断られる結果となったようです。
 
 
  放射能漏れの被害想定づくりに着手へ 滋賀県京都新聞 (2011年05月19日 20時43分) 
 滋賀県は19日、福島第1原発事故を受け、国の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」を活用して福井県の原発で放射能漏れが起きた場合の被害想定(シミュレーション)づくりに着手する方針を明らかにした。地域防災計画(原子力災害対策編)の見直し作業の一環で、9月ごろに公表する予定。

 大津市の県職員会館で同日初めて開いた見直しの検討委員会で、最悪の事態を想定して議論することを確認した。SPEEDIは、放射性物質の拡散を予測できるため、現在、県が国などにデータの提供を要望している。

 シミュレーションでは、SPEEDIのデータに滋賀県特有の気象条件や地形も考慮し、放射能の拡大状況を予測する。避難計画区域の設定や避難先、水源である琵琶湖への影響調査など幅広い項目についての判断材料に役立てる。

 県は今後、避難計画と放射能のモニタリング体制、リスクコミュニケーション(危機情報の共有化)の3点を柱に見直しを進める。来年3月に県独自の計画をまとめる。

 検討委員会は、地震災害や原子力工学、環境社会学の専門家をはじめ、長浜、高島両市の防災責任者ら16人で構成した。委員長に京都大防災研究所巨大災害研究センターの林春男所長を選んだ。

 嘉田由紀子知事は「地図の上に10キロ、20キロの線を引いて計画を立てるのは非現実的。実行力のある計画づくりをお願いしたい」とあいさつした。委員からは、放射能観測車「モニタリングカー」の導入に伴い昨秋から使用を中止している定点観測所「モニタリングポスト」の再開を求める意見が相次いだ。



さて、その後の経過報告では滋賀報知新聞「県の放射性物質拡散予測に5つの問題点」を取り上げて載せています。

そのなかで、畑明郎・元大阪市立大学大学院教授が指摘することとして、

――大気シミュレーションモデル使用については。
 不活性ガスのキセノン133などを除く放射性物質は、超微粒子の形で拡散するので、ガス状の大気汚染物質の拡散モデルを適用することはできない。
この意味でも福島原発事故で国が実施した「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」による拡散予測を使えるよう県はもっと働きかけるべきだ。

と話されています。

さらに、

 放射線観測機の設置場所を提案 6市の県保健所など 中日新聞:2011年10月8日
 県は7日の県議会防災対策特別委員会で、放射性物質を観測するモニタリングポスト8基を文部科学省から委託を受けて、各地域の県環境総合事務所か県保健所に設ける案を示した。市町と協議した上で正式に決める。

 設置場所は長浜、高島、彦根、東近江、甲賀、草津の6市。各地域にある環境総合事務所か保健所に設け、高島では市の安曇川支所に置く。長浜と高島は、福井県内の原発に近い市北部にも、さらに各1基を配備する。

 県内で唯一稼働している県衛生科学センター(大津市)のモニタリングポストが草津市に近いため、次の委託契約がされる数年後をめどに大津市堅田に移設する案も示した。

 避難計画をつくるため、県が提供を求めている国の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータは、国から引き続き提供を断られていることも報告された。県は「原発事故が起きれば、必ずデータ提供はある」と説明したが、委員からは「本当にデータがとどくのか」と疑問を投げかけられた。

 原発事故の際、福井県民の避難受け入れには、佐藤健司委員(自民)は「最悪の事態を想定すれば、福井県から避難してくる可能性がある。

今のままでは、県の避難計画が根底から覆ることもあるのでは」と指摘。

県は「福井、京都、滋賀のそれぞれの府県で協議している。福井から依頼があれば考えたい」と答えた。 (滝田健司)



これだけ地方都市が一生懸命にやっているのに、どうして文部科学省は提供しないのだろうか。

 ツイッターでも話題になっています。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の検索結果






 
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
混乱の中での原発事故の収拾は不可能 (pfaelzerwein)
2011-10-12 02:18:28
SPEEDIが気象予報では追いつかない貴重な予測情報を計算できるので膨大な税金を投資した訳ですね。

地方自治体がこうした予報情報を根拠として避難計画を建てるのはとても現実的な対応を考えているからでしょう。

しかし、福島で全く機能しなかったこうした警報システムを実効的な避難システムとして取り込むのは全く容易でないことが伺われます。恐らく、今回もしかるべき人数の住民を避難誘導させるのは不可能と首相官邸が判断したからに他なりません。要するに、地震による混乱の中での原発事故の収拾は不可能なのです。一刻も早く全原発停止しか方法はなさそうです。
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地震による原発事故において、住民を避難誘導させるのは不可能と国は判断。 (風信子(ひやしんす))
2011-10-12 18:14:34
避難計画とは、被害や負傷者を少なくする為のものと考えますが、出来ないから情報提供もせずに置こうという思考だということですね。

考えも付かない別の予測を提供をしてくださいました。地方はいたぶられているといっても良いですね。

10月11日(火)のNHKのクローズアップ現代は「どう教える”放射線”~学校現場の模索~」ではをみていましたが、中学生に広島と福島市に研究旅行させて放射線を測らせて、同じ位の放射線量であると語らせていました。納得できない気持ちがあります。

こういう風にメディアが国民の気持ちを霍乱させているのだと思います。

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