「月末金曜日早帰り」・お祭り騒ぎにしてはならない。よくよく考えよう

2017-02-26 08:14:22 | 日記

 「月末金曜日早帰り」・お祭り騒ぎにしてはならない。よくよく考えよう

 

 「金曜日早帰り」いわゆるプリムアムフライデーの24日である。25日の朝刊各紙は居酒屋、ビヤホール、あるいは百貨店、ヨガ教室などでの早帰り組の写真入りの記事で大きく報じていた。 決して嫌味を述べるつもりはない。しかしこの報道はいかがなものかと考えてしまう。このフライデーに加わることができた労働者数はどのくらいなのだろうか。当然にしてこの指定席から外された労働者や中小企業の事業主の発言は辛辣である。

   ではその指定組に伺いたい。「貴方の職場で、貴方たちは必要としたときに年次有給休暇を取ることができますか、取っていますか」と。「取らずに、取れずに2年間ごっそりと抱え、そして捨てていることはありませんか」と。年次休暇がどれだけ価値のあるものかを知っているだろうかという問いである。

 しかしその休暇の取得も戦いであった時代に私たちはいた。届書に上司は簡単に応じてはくれなかった。ましてや子供が熱を出したということでの「当日届け出休暇」などに至っては針のむしろであったことを忘れることができない。そして良く述べられてきた言葉に「年次有給休暇・忌引き休暇・そして早退」の取りやすさ実態が、職場の条件のバロメーターとされてきた。だから当然の権利でありながらその「取得運動は戦いであった」。

   そして今回、月末金曜日の仕事を午後3時に切り上げる」ことは消費を増やし、そして労働時間も短くするという「二兎」を追う官民挙げた取り組みとして宣伝をされている。そして政府や経済界は、消費拡大や「美名に隠された働き方改革」につなげのものととの声明を出している。しかしその別な口からは「時間外労働延長時間・月100時間」を執拗に固守する姿に彼らの本音を見ることができる。

   果たして定着するだろうかという疑問の提起もある。当然である。「もてなしとしで出されたお膳」は「主の気分」でいつでも引っ込められる。また「馳走の中身」も変わる。問題は「出させるお膳」「盛られる馳走が変わらないお膳」にしなければならない。「もてなしによるものか、要求によるものか」「出されたものか、出させたものか」の分岐点は「年次休暇その他の既得権が労働者のものになっているか」で争われるものであると考えるが、どうだろうか。よくよく考えてみて欲しい。

  そこで重ねて問いたい。今ビールで乾杯をしている貴方や貴女「あなたの年次休暇の残日数はどのくらいありますか」と。

  「プレミアムフライデー」でなるものを歓迎する労働者群は全国の労働者の1割にも満たないだろう。そして浮かれている間に「労働者の固有の権利」が奪われていくことを懸念する。そのことは指定組だけの問題ではなく、その指定組に入ることができない9割以上の労働者のさらなる権利の消滅となって表れていくだろうことを危惧するからである。

   かつて労働組合運動に携わった一人としてそのことを訴えたい。