『生物と無生物のあいだ』福岡伸一
2007年に第29回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、
2008年に第1回新書大賞をそれぞれ受賞したベストセラーです。
<福岡伸一>
分子生物学者、1959年生まれ、京都大学大学院博士課程修了後、
ロックフェラー大学およびハーバード大学で博士研究員として勤務。
帰国後、京都大学助教授などを経て、現在青山学院大学教授。
タンパク質の生体における働きを研究。
肩書き凄いなぁ。ロイヤルストレートフラッシュくらい最強に揃ってますね。
ひとつくらい分けて欲しい(笑)
普通学者が書く書物は堅苦しく、文章力もいまいちで面白くない。
しかし、福岡先生の文章力は学者のレベルを超えていて、ほんと面白い!
確かに読み始めたら止まらない。
この書物では、
「生命とは何か?」という問いに対する答えとして、著者は「動的平衡」をあげています。
この本で紹介されている『ルドルフ・シェーンハイマーの動的平衡』という理論は、
漢方、薬膳などの東洋医学、
マクロビオティックなどの代替医療の基本だと思うのですが、
今は忘れ去られている存在です。
簡単に説明すると…
まず、第一に、日頃摂取する食物は、人体に取り込まれる際に、
既存の物質と置き換わるように、摂りこまれると言う事。
(既存の古い物質は、排出される)
第二に、日頃摂取する食物は、一旦、分子レベルまで分解され、
それから人体に取り込まれると言う事。
そして、最後第三に、通常、生体の体を形作っている物質は、
そのままほおっておくと腐敗(自己崩壊・破壊)してしまうが、
どうやら、生物は、既存物質の腐敗・自己崩壊が起こるよりも早く、
物質を新しく入換え再構築することで、生命を維持する仕組みになっているらしいのです。
つまり、生命とは「分子を入れ替えながら、その同一性を保っている」ものである。
ということです。
このように考えると、如何に、普段の"食事の質"が大事なのかが良く分かりますね。
読みながら、鴨長明という人はいかに本質を捉えていたのだろうと思いました。
『行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。』
訳)河の流れは絶えることがなく、しかも、一度流れた河の水というのは、
決して元と同じ水ではない。
流れていない河の淀みに浮かんでいる水の泡(うたかた)も、
瞬間で泡が消えたり、瞬間に泡が出来たりするが、
長く同じ場所に泡が留まっている例などはない。
2007年に第29回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、
2008年に第1回新書大賞をそれぞれ受賞したベストセラーです。
<福岡伸一>
分子生物学者、1959年生まれ、京都大学大学院博士課程修了後、
ロックフェラー大学およびハーバード大学で博士研究員として勤務。
帰国後、京都大学助教授などを経て、現在青山学院大学教授。
タンパク質の生体における働きを研究。
肩書き凄いなぁ。ロイヤルストレートフラッシュくらい最強に揃ってますね。
ひとつくらい分けて欲しい(笑)
普通学者が書く書物は堅苦しく、文章力もいまいちで面白くない。
しかし、福岡先生の文章力は学者のレベルを超えていて、ほんと面白い!
確かに読み始めたら止まらない。
この書物では、
「生命とは何か?」という問いに対する答えとして、著者は「動的平衡」をあげています。
この本で紹介されている『ルドルフ・シェーンハイマーの動的平衡』という理論は、
漢方、薬膳などの東洋医学、
マクロビオティックなどの代替医療の基本だと思うのですが、
今は忘れ去られている存在です。
簡単に説明すると…
まず、第一に、日頃摂取する食物は、人体に取り込まれる際に、
既存の物質と置き換わるように、摂りこまれると言う事。
(既存の古い物質は、排出される)
第二に、日頃摂取する食物は、一旦、分子レベルまで分解され、
それから人体に取り込まれると言う事。
そして、最後第三に、通常、生体の体を形作っている物質は、
そのままほおっておくと腐敗(自己崩壊・破壊)してしまうが、
どうやら、生物は、既存物質の腐敗・自己崩壊が起こるよりも早く、
物質を新しく入換え再構築することで、生命を維持する仕組みになっているらしいのです。
つまり、生命とは「分子を入れ替えながら、その同一性を保っている」ものである。
ということです。
このように考えると、如何に、普段の"食事の質"が大事なのかが良く分かりますね。
読みながら、鴨長明という人はいかに本質を捉えていたのだろうと思いました。
『行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。』
訳)河の流れは絶えることがなく、しかも、一度流れた河の水というのは、
決して元と同じ水ではない。
流れていない河の淀みに浮かんでいる水の泡(うたかた)も、
瞬間で泡が消えたり、瞬間に泡が出来たりするが、
長く同じ場所に泡が留まっている例などはない。