矢島慎の詩

詩作をお楽しみください。

巡り来る一日の朝に

2005-04-11 12:24:52 | Weblog
2004

霧の立つ朝、寒いねと言い合える言葉に出会え
熱い紅茶がいつもにも増して美味しいと感じたら
おめでとうの言葉はいらない
それ程あなたは祝福の花束に埋もれ
甘い香りがお部屋一杯に満ちて溢れる

祝福の言葉は、あなたが今の地球に生まれ降りたあかし
生まれたことに感謝し、周りの人に気を遣う
あなたに投げかけられる励まし

母と父に見守られ、生まれた日に感謝する
あなたに対するねぎらいの言葉は
微笑みとあどけなさをいつまでも

育つ過程で僅かな不遇さがあったとしても
それは料理に例えれば塩の役割
味付けの大切な要素

巡り来る一日の終わりに
温かな胸のほてりを覚えたらあなたは幸せびと
明日もあなたに勇気と励ましを与えてくれる

人の幸福感は周りの人を介してのみ与えられるものだから
ベランダの草木にさえ水やりに気遣うあなたに安らぎを与えてくれる

季節が巡り年輪を重ねることに喜びを刻めば
明日吹く風は温かく、希望に満ち
周りの祝福はあなたに微笑む

交わした言葉、心遣いの数々に感謝を込めて
あなたにお誕生日おめでとう



         2005

振り返れば苦難の見舞われた日々を
何もなかったように、いつもの陽気さをみせる

必死で駆け抜けた一年のはずなのに
君は息を整え、瞳に涼しさを漂わす

ヘッドホンの流れる音楽に耳をあて
愛犬と戯れる姿は風に踊る少女

誕生日は複雑なんだこの頃
と話す君の笑顔に贈る言葉は
飾らぬ素直さをいつまでも

胸に刻まれた苦い思い出は未来への確かないしずえ
床の涙の跡は、心の草花に豊かな潤いを与える

祝福の一日の終わりに熱い友情と励ましを覚えたら
君は明日も微笑みと温かさを周りに振りまく

幸せとは努力した後ふっと一瞬感じるもの
愛とはひたすら育むものと教えてくれた君

日々の言葉の積み重ねはレンガ造りの建物
雨風にも揺るぎない姿を保つ

一年の時の流れに熱い想いを込めて
あなたにお誕生日おめでとう


        2006

白い朝が風の向こうから訪れ、小鳥のように
ベランダにとまる。パンジーの花が黄色く揺れ、
「おめでとう」と微笑む。

季節に、とき折りの節目があり、いくたびの節目に
迎える大きなうねり。今年は貴女にとっての転換期、
鮮やかに飛び立ってほしい。

飛翔の羽ばたきに贈る貴女への励ましは、
高く、強く、美しく。未来への希望だけを胸に、
ひたすら羽ばたき続けてほしいと願う。

空に舞えば新しい風に出会い、新たな陽光も
暖かく注がれる。空に漂う雲の囁きも耳に優しく
届くことだろう。

巣立ちがそうであったように、飛翔はいつも
不安で不確かなもの。雲の流れさえ定まらない

それでも飛び立つ貴女は、確かな羽音に自信を持ち、
見守る声援の支えに明日を信じれば、
目に映る全ては貴女に祝福を贈る。

今まで貴女が、周りの人に与えてきたものは貴女の宝。
人を励ましてきたものは勇気となって湧き上がる。人から
感謝されたものがあったとしたら、それこそが貴女の幸せ。

時が季節を巡り、季節が時代を重ねては、
誰もが雲の流れの旅人。巡りくる朝に明けの星が輝くように、
誰もが時空をさすらう。

分かち合った数々の苦難と喜びに、ねぎらいと励ましを込めて、
あなたにお誕生日おめでとう