ちょっと前の話になるが、7月、
お母さんに連れられ、
サイモン&ガーファンクルのコンサートに行ってきた。
母がサイモン&ガーファンクル、
いやそれだけじゃなくてその時代に流行していた
カーペンターズやニール・セダカ、ポールアンカなども大好きだったことから、
私は小さい頃から子守唄代わりに?よく聞いていたものだった。
だから、
今挙げた歌手の曲なら、
曲と曲名が一致しなくても大抵口ずさめてしまうのだ。
いやぁ、私、その世代じゃないんですけどね。
ということで、
連れられて行った東京ドームのサイモン&ガーファンクルのコンサート。
ほとんどの曲を知っていたのには我ながら感心感心!!
超満員の会場を見渡すと、
あれ?
同年代の母娘を見かけたので、
実は私と同じ境遇で連れられてきた人が多かったんじゃないかと思う。
同じ境遇なのね、きっと。
ほら、東京ドームの中は満員!
ポスターも
さて、
前置きが長くなってしまったけれど、
ここからが本題です。
題して
「サイモン&ガーファンクルとチョリータの関係」
一見、なんの接点もなさそうなこの二者。
アメリカのしかも70年代のヒット曲と縁もなさそうなチョリータ。
でも、
でも、
そんなチョリータさん(チョリ男と勝手に私が呼ぶ先住民族の男性も合わせて)たちと
サイ&ガー(と略そう)には深い?関係があるのだ。
長い三つ編みと山高帽がトレードマークのチョリータさん
チョリータさんたち、
つまりボリビアのアンデス系先住民族が今も信仰するのは
母なる大地の神、パチャママ。
そのパチャママへの信仰は今でも絶大で、
例えばコチャバンバという町では、
毎月第一金曜日には必ず、
各家庭、職場、集まりごとにお清めとお供えの儀式を行う。
特に御利益があると言われる
BOMBORIボンボリ聖人(人の名前です!)の廟というかゆかりの地では
第一金曜日ごとに長蛇の列の人人人。
街から離れた田舎にあるのに、この日ばかりは一日中人で賑わう。
それぞれが自由にお供えものを燃やすのだ。
椅子持ち込みでどっしり座り込んだおばちゃん。
お供え物を焼く際は、ビール等のアルコールをパチャママに捧げながら。
もはやビールかけにしか見えないほど、
泡泡のビールを回りにかけまくったりも。
ちなみにビールやワインを飲みながら焼くので、
お供え物が終わるころには人々も出来上がり、超上機嫌。
そんな酔っ払い集団と化した参拝者の中にも、
人々がそれぞれお供え物を焼く脇で
お清め専門の人に清めてもらう人もいる。
新しい車(たとえ中古であっても)を買ったら
真っ先にお清めをする人の姿も。
で、お供え物はというと…
自分のお願い事に応じてお供え物をオーダーメイド!
ということで、
私もパチャママにお供え物をすることに。
「家内安全、でも、金運と仕事運と…
むにゃむにゃ…」と続けた結果出来上がった
煩悩だらけの私のオリジナルお供え物。
砂糖でできた白い板は、お願い事のシンボルが書かれてあるのだ。
金運は…なんと分かりやすい「
USドル」!
そりゃぁ弱いボリビア通貨ボリビアーノスじゃ期待できないのか?!
とまぁ、わかりやすい。
それに様々なカラフルな物体や薬草がトッピングされていく。
高く高く煙が上り、パチャママに届きますように…
と炭の上に乗せ、ビールやワイン、アルコールをかけつつ焼く。
私も焼く焼く。
安~いボリビア製ワインをかけながら。
焼き終わったら…
パチャママへのお供え、完了。
今月も無事に過ごせるはず、なのだ。
さて日がなビール片手にお供え物を焼く人々。
どうも、このお供えのクライマックスはプチ楽団による音楽の奉納。
グループによっては楽団を呼び、ひとしきり奏でた後、踊り始める。
ほら、こんな感じ。
で、
長くなったが本題に戻ろう。
「サイモン&ガーファンクルとチョリータの関係」
そう、この楽団が必ず最初に弾く曲。
それがなぜか
サイモン&ガーファンクルの
「Sound of Silence サウンドオブサイレンス」なのだ。
厳かに奏で、
もはや酔っ払いと化した人も神妙な面持ちで聞く最初のこの1曲。
こんな何とも言えない混とんとした世界に
突然「サウンドオブサイレンス」が響く…。
この1曲のサビを高々と、でも厳かに奏でると…
曲はいきなり明るいフォルクローレ音楽に変わり、
チョリータワールドが全開、となるのだけど。
な―ぜ―だ―――――?????
楽団は希望する=お金を払うグループごとにつき、
始まる度に「サウンドオブサイレンス」が繰り返されるのだ。
ちかくにいたビールでできあがりかけたチョリータさんに
「何故この曲?」と聞いたところ
「これはボンボリの曲」とのお答え。
いやいや…
ボンボリ聖人の曲…=テーマソング?
そんなことはないだろう。
サイモン&ガーファンクルのオリジナル曲、でしょ??
え?それとも実は「コンドルは飛んでいく」のように
アンデスオリジナル曲???
なんて疑念も出てきたのだが、ネットで調べた限りでは
彼らのオリジナル曲だった。
なぜ、この二人を代表する名曲が
いつの間にやらボリビアの片田舎の
ボンボリ聖人といういまいち正体不明な聖人のテーマ曲になったのか。
この謎は解けないが、
チョリータさんとサイモン&ガーファンクルをつなぐキーワード。
それは
名曲「Sound of Silence」だったのだ。
でも、やっぱりまだわからない。
な―ぜ―だ―――――?!?!?!
そして、
コンサートで誰もが待ちわびたこの名曲が美しく響く中、
私の頭はこのチョリータワールドとボンボリ聖人でいっぱいになったのだ。
あの東京ドームコンサートの大勢の人の中で、
こんな連想をしていたのは…
確実に私一人だけでしょう…ね。