英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

繰り返された南米の悲劇   一橋大生の殺害に思う

2016年11月22日 15時35分00秒 | 時事問題
 1年半以上前の2014年1月に記したブログ「南米エクアドルでの新婚夫妻の悲劇」の閲覧数が昨日、一日だけで83に達した。読者の方々が「南米コロンビアのメデジンで殺害された一橋大学生」に関連して読まれているのだと直ぐに推察した。
 またもや悲劇が起こった、という感をいなめない。井崎亮君は携帯機器を持って歩いているところを2人組の強盗に襲われ、そのうちの1人に銃弾2発を受け殺害された。
  一橋大によると、井崎君は今年4月から1年間の予定で休学していた。国際協力の実情を知るために発展途上国を中心に世界各地を訪問したい、との理由だったという。同大は「前途有為な学生が志半ばにして亡くなったことは痛恨の極みであり、ご家族の皆様に謹んで哀悼の意を表します」とコメントを出した。
  筆者もご家族の皆様に謹んで哀悼の意を表し、井崎君の志に敬意を表す。70歳近い団塊の世代の人間の一人として、志半ばにして倒れた井崎君の心中をおもんばかるとやりきれない気持ちになる。われわれの世代と彼との間に何が違うのかと考えた。
 われわれ団塊の世代の連中もアフガニスタン(現在と違って当時は平和な時代)、南米、アフリカへと冒険旅行をした。ただ、十分な資料を集め、治安情報を集め、危険を織り込んで出発した。
 井崎君は高邁な理想のために、開発途上国を訪れていたが、その国の社会事情に関する資料を集めたのだろうが、どこまで訪問国の社会事情・治安を把握していたのだろうか。
   南米の死因の3位は殺人。世界でもまれな安全な国に住む日本人が想像もできない劣悪な国々が地球上に散らばっている。政府が腐敗し、貧富の差が想像以上に大きな国々が南米やアフリカ、中東、アジアにはある。一握りの富裕層と90%以上の貧困層。その間にあるはずの中間層がない。
 最近、3年間のブラジル勤務を終えて帰ってきた甥が、夜に高層マンションからピストルの銃撃音を聞いたことがあると話した。
 井崎君のような青年の志に敬意を表するが、志ある若者はどうか両親を悲しませないでほしい。治安の悪い国へ行く場合、細心注意を払ってほしい。万一、強盗に遭った場合には抵抗しないこと。2人組に携帯電話などを奪われた井崎さんは犯人を追い掛け、追い付いた際に撃たれたという。
 ほかの国でパソコンを盗まれ、コロンビアで携帯電話を盗られては通信手段がなくなり、本国の友人と連絡がとれなくなると思い、必死に取り返そうとしたのかもしれない。その気持ちは理解できるが・・・。
 「南米エクアドルでの新婚夫妻の悲劇」の際に書いた注意点を再びこの場で書くつもりはないが、一つだけ強調したいことは高価な物品を不用意に見せないこと。現地人と溶け込む服装をすること。若者は命を大切にしてほしい。ただ一度の人生なのだから。

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