微笑み

マルニホームにて整理収納アドバイザーをしています。

心から愛するもの

2013年07月25日 | 日記
映画「風立ちぬ」を家族で見てきた

「風立ちぬ」この映画だけは、家族一緒に見たいとずっと考えていた

この映画は、私が考えていたほど簡単なストーリーではなかった

見終えて感動し、それで終わりではない

この映画は、見終えてから、毎日の生活の中に、じわじわと伝わってくる

そして、たくさんの事を時間をかけて考えるきっかけになる

他の映画にはない、不思議な力が備わっていると思った

映画を見た次の日の朝、娘が突然言った

「昨日の映画の意味が今日少しわかったよ」

その通り!この映画は少しずつ少しずつ自分の経験を通してわかってくるのだ

「矛盾を言っているんだね」

あぁ、心にずっと残っているんだなと思った

息子も毎日、この映画の感想を話す

この映画を見て、なにかを深く考えるという事を、人はしていくだろう

特に、思春期の子供たちに見てほしいと思う

思春期にこの映画に出会えたら、そして人生の節目、節目にこの映画を思い出せたら

それは、とても素晴らしい事ではないかなと思った

この映画は100歳を超える本の様だ

この映画の中でもそうだが、人生誰と出会ったかが非常に重要になってくる

私は、生物学を学ばれてもう半世紀はたつ方とお話をする時がある

その時も非常に楽しい。学ぶべきのもが沢山あるからだ

本との出会いもそうだ

私は子供たちに読み聞かせをする時、心がけて来た事がある

それは100歳を超える絵本との出会いだった

100年の時を越えて愛され続けているものと向き合うという事は

一つの親の義務ではないかと思っていた

きっと、この映画は100歳を超える本と同じくロングセラーに愛され続けるだろう

この映画「風立ちぬ」の中では

創造的人生の期限は10年という

「君の10年はどうだったかね。力を尽くして生きたかね」

との恩師、カプローニさんの言葉が心を打つ

そして、映画を見て一つ、長年の私の謎も解けた事があった

私の飛行機の設計をしていた祖父は、馬の絵をかくのが大好きだった

特に馬の腹の曲線と、馬のおしりの曲線ばかりにこだわっていた

何故だろうとずっと思っていた

けれど風立ちぬの映画を見て、その謎は解けたのだった

風たちぬの設計士の主人公が好きだったのは

映画の中に何度も登場してくるが、サバの料理を食べるシーンだ

サバの骨の曲線が飛行機の羽に似て美しいという

心から飛行機を愛していたのだなと思わせるシーンだ

そんな、心から、意味などなく好きなものに出会えるとは

なかなかない事だろう。幸せな事だと思う

きっと私の祖父も、意味などなく飛行機を心から愛していたのだと思った

私は、それを知ることができただけでうれしかった

戦争という激動の時代を生きた祖父は

言葉にならない悲しみを沢山もって生きていただろう

映画の中に「人生最後はボロボロでした」とある

私の祖父も、この言葉の様に、設計人生もあきらめて

時代に翻弄されて生きた

けれど、心から好きだと思えるものに出会って

祖父は幸せだったのだとと思う