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いま、そのとき、かんがえつつあること。

韓国の本あれこれ

2005-11-07 | ほん
ひさしぶりに韓国の本を検索してみた。

◆ロシア出身の朝鮮史研究者のパク・ノジャさんの新刊がでてる。『優勝と劣敗の神話-社会進化論と韓国の民族主義言説の歴史』ハンギョレ新聞社。社会進化論についての研究書は、ほかにも『社会進化論と国家思想』『社会進化論と植民地社会思想』がある。社会進化論の分析から優生思想の批判にいたったものは、ないように おもう。韓国では、優生学研究ってあんまり さかんじゃないし。ともかく、パクさんの本は韓国でもかなり人気なので、これもけっこう よまれるだろう。1800円で512ページって、かなり ぶあついけどね。

◆チェクセサン[本の世界]っていう出版社は、やっぱすごい。日本では新書が乱立している印象があるが、韓国では新書といえるものが、ほとんどない。チェクセサン文庫と、あとはサルリム知識叢書あたりだろう。サルリム[くらし]も、なかなか いいのだけど、チェクセサンの批判精神あふれるシリーズは、目をみはるものがある。国家権力や民族主義の批判、差別問題、ジェンダーについての本など、かなりの数の名著をだしている。わたしの手元にさえ20冊ほどあるくらいだ。宗教や芸術、ポップカルチャーなどにも つよい。500円以下で かえるし、よみやすく、最後に文献案内まである。

今回の検索でとくに注目したのは、『あふれかえる民族 きえさる主体』『日本映画とナショナリズム』。文庫以外にも、いい本がでてるのに びっくりした。→『文化部族の社会』(おもしろそうなメディア論と若者論だ)、『歴史的ファシズム-帝国のファンタジーとジェンダー政治』『ジェノサイド-虐殺と隠ぺいの歴史』。『文化部族の社会』は、かうだろうなぁ。

◆敬愛する図書出版サミンは、どうだ。『戦争と学校』『「国民」という奴隷-韓国文学の記憶と忘却』。どちらもサミンらしい本だ。

『大韓民国は軍隊だ-女性学的視覚からみた平和、軍事主義、男性性』。「戦闘的デモ文化と性別化」ってのがあるね。いやはや、これだから韓国の女性学、ジェンダー研究ってすきだ。

◆日本の『言語帝国主義とは何か』の翻訳がでてた。これは、ちょっとうれしいような。そういえば、『セックスボランティア』なんかは、すぐ翻訳がでてたね。

◆障害についての衝撃的な本は、やっぱりでてない。概論書ばっかなんだよね。教育や福祉の。しいていえば、歴史をえがいた『この世にすてる人はひとりもいない-歴史の中の障害者の話』。これは、ちらほらっと現物をよんだけど、まぁまぁかしら。

まぁ、入手しても よまないんだけどなぁ。韓国にいたときは、毎日ねるまえに2時間くらい よんでたけれど。

グーグル:「パク・ノジャ」