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いま、そのとき、かんがえつつあること。

完璧な親って いるのか

2004-12-14 | ほん
ちくま新書は なかなか いい仕事してると おもう。

こないだも『子どもが減って何が悪いか!』(赤川学/あかがわ・まなぶ、2004年、筑摩書房)と『「おろかもの」の正義論』(小林和之/こばやし・かずゆき、2004年、筑摩書房)をかってきた。まだ よんでないけど、赤川さんの本の あとがきに ちょっと感想。まず引用する。
仮に子どもがどんな重度の障害をもって産まれてきたとしても、愛情をもって育てる覚悟をもてた男女だけが、子どもを産めばよいのだ。そうした選択の結果、産まれる子どもの数が少なくなったとしても、それはそれで仕方ないことだ。(217ページ)
はい、正論です。ここで「重度の障害」の話は重要ではない。少子化が どうのとか、わたしは まったく興味がないので、赤川さんの議論には共感できる。それは いい。しかしだ。うえに引用した主張は、「責任感をもって、完璧な親になる準備をととのえてから親になれ」と、そんな語感がある。ちょっと ひっかかる。

韓国の「民衆歌謡」で「善良な人たちへ」という曲がある。単純に要約すれば「たちあがれ、たちむかえ」みたいな内容なんだけども、けっこう すきな歌詞だ。
「まだ準備不足だからとか、まだ その時じゃないからとか いわないで。そんなの完璧な親になるまで こどもをもっても うんでも いけないって話と いっしょじゃないですか。いっしょじゃないですか。」
わたしは、こっちの歌詞のほうに共感する。だって、人間だれしも てさぐりで いきてるじゃないですか。聖人君子なんかじゃないし、「悟り」なんか夢物語にすぎないし。そりゃ、正論は いくらでも いえますよ。ほら、保守オヤジさんたちだって『正論』をせっせと かいてるじゃないですか。もちろん、ぬるま湯に つかってる日常意識に ちょっとした刺激をくわえるのも わるくない。でも、自分が どこに たっているのかを自覚しないことには、「覚悟」だとか いえないんじゃないか。

こどもが ほしいという感情が わたしには あんまり ない。まだ「適齢期」じゃないからって いうかもしれないけど、「自分の こども」というものに あんまり興味はない。こそだてするとしても養子で かまわないと おもってる。血の つながりとか、わけの わからないものに なんで執着するのかも わからない。でも、そんな かんがえに「正しさ」をもとめても しかたがない。ただの印象だ。ただの つぶやき。

安全地帯から世間をながめても、でてくるのは あきれ顔と 自己満足な優越感だけ。学者先生が 一番ひかえるべき態度じゃないかしら。おっと、そこまで批判するつもりじゃなかったけども。途中から一般論になってると ご理解くださいませ。

なんか、最初に紹介した2冊を、テキトーにリンクできた気もする。どちらの本も おもしろそうです。よかったら、どうぞ。

グーグル:「民衆歌謡」 / 「赤川学」 / 「小林和之」 / 「完璧な親」 / 「少子化」
リンク:AKAGAWAのホームページ ←サイト名の不適切な言語は翻訳しました(じょっ、じょうだんですので)。

2 コメント

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自分も (哲人30号)
2005-01-19 00:06:23
はじめまして。

自分も2冊とも買って、つい先日、読み終えました。いずれも興味深く、比較的、自分の意見に近いものが多く、内心頷いてばかりでした。

最近、粗製乱造気味の新書ですが、この2冊くらいの密度があると読み応えがあります。これからも期待したいです。
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こんにちわ (ひつじ)
2005-01-20 10:48:43
わたしは、まだツンドク中です。最近かった本だと、『茶色の朝』がよさそうですよ。



赤川さんの本には変なイチャモンつけてるから(笑)、ちゃんと よんでから またカンソーブンかきます。
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