鏡面界 - 魚食系女子の気まぐれ雑記帖

お魚料理を中心に、呑気にまったり、寄り道・迷い道の日々。。

ユメカサゴのアクアパッツァ

2012年11月01日 | 料理 魚類


ユメカサゴ ( 夢笠子 )
- Helicolenus hilgendorfi ( Steindachner and Doderlein,1884 ) -




ユメカサゴのアクアパッツァ



新しい月のスタートは、大好きなカサゴでお祝いよ。
カサゴの中でも、流通量が多く、とても美味しいお魚として知られる夢カサゴの登場です。

うちの方は、新潟から一年を通して沢山入荷があり、長崎辺りからも立派なサイズの入荷もあるの。
その流通量は、今では、本家の本カサゴを凌ぐほど。
価格も手頃で有難いです。

明るいオレンジ色の艶やかな衣装を纏うチャーミングな容姿は、とても魅力的です。
つい先日掲載したオニカサゴのような暴力的な威圧感は無く、女性的な雰囲気ね。

ユメカサゴというネーミングもお洒落でステキ。
正式な学術名で、こんなセンスの良い命名は珍しいわね。
まるで、夢見る乙女の様な・・・、と、言ったら煽てすぎでしょうか。(^_^)





大好きなお魚で、良く味わっているのに、何故かこのブログには初登場です。
煮ても、焼いても、お刺身も美味しいオールラウンダー。
素晴らしい魚肉は、料理の腕が上がったのではないかと勘違いするほど、だれでも美味しい料理が造れます。

そして、とても上品な素敵な出汁が取れるのもカサゴの特徴。
わたしは、カサゴの場合、オリーブオイルとバターを使った洋風スープで調理する事が多いわ。

煌びやかなオレンジ色の綺麗な衣装は、明るい地中海の雰囲気。
アクアパッツァなんか、まさにぴったりだわ。

醤油ベースの和風の煮付けには、従妹のメバルの方が似合うように思うし、美味しいと感じてます。





先日、NHKの番組で、南仏の家庭料理の特集がありました。
その時の主役は、やっぱり、今日と同じような綺麗なカサゴでした。

美味しそうな大振りのカサゴをたっぷりのオリーブオイルと白ワインで煮付けたもの。
ブイヤベースと番組では言っていたけど、わたしの感覚ではアクアパッツァに近いと感じましたね。

まあ、料理名は、解釈によりどうにでもなるので、気にする事はないですけどね。





今回のユメカサゴは、一尾を二枚に捌いて、半身のフィレは別料理用に温存しました。
一尾丸ごと使っての姿煮でも良いのですが、それだと少し量が多すぎるので半分のみ使用したの。

丸ごと使うには、お魚が大きすぎるという事もあったし・・・。
私の使っている大きいほうのフライパンでも収まりきらなかったのよ。

無理に押し込めて調理できても、今度は盛り付けるお皿を持ってないの・・・。
大皿だと、ピザ用があるけど、スープが盛れないしね。

更に大きな、伊万里の色絵の特大皿も持っているけど、それにアクアパッツァでは、完全にミスマッチ。(笑)
このブログには、鎧目張さんを始め数人陶磁器の目利きが目を光らせているので、あまり無茶はできないのよぉ。

そんな事で、今回は姿煮のアクアパッツァは諦めて、解体して調理したの。
食べるにはこの方が食べ易いのですが、絵柄としては、若干インパクトは弱いですね。





わたしは、得意料理というのは、持ち合わせてないの。

見よう見真似の無手勝流の調理だし、几帳面に調味料を調合するのも苦手。
常にアバウトで、味覚は全て自分の気分次第、そして我儘なわたしの舌が全ての決定権を握っているのよ。

アクアパッツァは、良く造っていて、得意料理とまではいかないけど、そこそこ美味しいものが造れるあやふやな自信のようなものがあるわ。
でも、さっきも書いたように、調理法が良いのではなく、ただ単純にカサゴだと誰が造っても美味しいものが出来るというだけなんだけどね。(^_^;





レシピブログではないので簡単に今回の料理のアウトラインだけ記しておきます。

捌いたカサゴを微熱湯を降り、冷水で洗い、塩・胡椒。
生臭いタイプの魚ではないですけど、エラやヒレの間とかの汚れなど丹念に落としておいた方がスープが濁らないですからね。

やや多目のオリーブオイルを、大蒜で風味づけして、カサゴを軽くソテー。
表面だけ軽く焼くだけで完全に火を通す必要は無いです。

そこに、水と白ワインを被るくらい投入。水とワインの比率は、1対1くらいが普通でしょうか。
今回は、二個の生トマトをざく切りにして一緒に煮込んでます。
トマトを完全に潰して煮込めば、トマトスープ的なものになるけど、今回はそういう仕上がりを考えてないのでザク切りです。

途中で、ローズマリー、タイム、ローリエを適量加える。

更に、今回は、セロリと、ウリズン ( 沖縄産の四角豆 )を投入。

七割方カサゴに火が通ったあたりで、浅蜊と、殻から取り出して剥き身にした帆立貝を投入。
帆立貝は、殻付きでも良いのですが、帆立貝の殻は大きいので、お皿が賑やかになり過ぎるので今回は剥き身にしたの。

ここで本格派は、ケッパーやオリーブの実など投入するのですが、手持ちに無いので省略。。

塩・胡椒で最終的な味付けをして、浅蜊が開いたら完成ね、お皿に具のみ盛り付けます。

スープは、バターを加え、約半量になるくらいまで煮詰める。
この時、お皿に盛りつけるフレッシュハーブも投入し軽く熱を通す。

スープの濃度が高くなり丁度良くなった頃合いをみて、盛り付けた具材に回し掛ける。

最後に、乾燥バジルを降り、Ex.バージンオイルを掛けて完成。

大体こんな感じです。





さっきも書いたけど、カサゴの兜はとても素晴らしい出汁が出るので、とても美味しいスープになります。
水を投入する時、ブイヨンを使う人も居ますけど、カサゴならそんな必要も感じられないくらいの濃い出汁がでるわね。
逆に、変に別の味覚を加えない方が、カサゴの美味しい出汁が楽しめると思うわ。

コツとしては、最後に煮汁 ( スープ ) は半量くらいまで煮詰めて濃度を出すので、調理中の味付けは極薄味が基本です。
加減を間違うと、かなり塩っぱいスープになっちゃいますので、そこだけは注意してね。

使う材料をしっかり揃えて下準備をしておけば、非常に短時間で仕上がる料理です。
カサゴは、熱を通してもパサ付くタイプの魚肉ではないですけど、あまり長時間加熱すると、せっかくのプリプリな食感が台無しになってしまうわ。
火が通れば完成というのを目安に、貝類の投入の頃合いを決める必要があるわね。





このスープは、得も言われぬ程美味しいです。
わたしは、いつもカサゴのファンだって言い続けてますけど、こんなスープの味覚を愛して止まないからなんです。

今日も、とても美味しくできたわ。
新しい月を新しい気分でスタートするには、打って付けの一品でした。

御馳走様でした。 m(_ _)m







今日のブイヤベースは、思い入れもあり、大好きな料理なので、
随分とボリュームのある特集になってしまいましたね。

ユメカサゴというお魚も、とても好きなお魚という事もありますしね。

ただ、ボリュームはあるけど、相変わらずだらだらした文章ですねぇ。
もうちょっと要点を纏めて分かり易く書きたいと思っているんですけど、
相変わらず、寄り道、迷い道に過ぎますね。

でもまあ、新しい月のスタートには、丁度良い特集が組めたかな、と思ってます。



さあ、今月は色々頑張ってやっていきましょう。

引き続き、お付き合い頂ければ幸いです。




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6 コメント

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Unknown (ELLE'min)
2012-11-01 11:47:39
わぁ~、今日も美味しそう。
うちの方は田舎なので、お魚料理は醤油や味噌系の純和風煮付けが多いわ。
でも、オリーブ油とバターの洋風スープもお洒落で華やいでいて良いものですね。

お魚と貝を煮えたら取り出して、スープだけ煮詰めてゆくのはナイスです。
私なんて横着者なので、そのまま煮込んでしまって、食感も味覚もがた落ちになりがちだわ。

鶲さんは、いいかげんとかアバウトとか言ってますけど、随分と気配りの効いたお料理に見えますよ。

スープの色合いがとっても素敵です。
カサゴの出汁がたっぷり濃縮されているようで、私も食べたくなってしまったわ。

ユメカサゴは、うちの方でも大量に獲れてます。
うちのほうでは、ノドグロと呼んでいますよ。
関東などでノドグロというと今はアカムツの事みたいですけどね。
返信する
Unknown (Liza_tan)
2012-11-01 12:55:37
おっはよう (^。^)
今日の秋田は、強い雨、北風も冷たくて寒い日です、もう完全に冬になってしまったわ

得意料理ではないといいつつ、これが鶲さんの得意料理ね、私は知っているのよ (^。^)
濃厚なスープが本当に美味しそうだわ、わたしもカサゴは大好物
黒っぽい本カサゴより、オレンジ色の夢カサゴの方がお洒落な雰囲気ね
我が家近辺でも、ノドグロというと夢カサゴの事です
アカムツは南のお魚だし、大きいと目玉が飛び出すほど高いので、薄給の我が家には無縁のお魚よ
同じノドグロでも夢カサゴは庶民のお魚ね、私は薄口醤油であっさり煮付けてしまう事が多いです
魚肉のプリプリ感も素敵だし、味がとても良いお魚なんで煮ても焼いてもおいしいですね
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Unknown (Kiralie @ きらら)
2012-11-01 16:21:52
こんにちは。某所でハンドルが被ってしまい改名しました。
人間性も簡単に変身出来ると良いのですが、そういうわけにはいかないようです。(笑)
鶲さんのご師匠さんと、平仮名三文字で似ていたから、ちょうどよいですね

実は、香港へ出かけて来ました。
美味しいものをたっぷり味わい、2キロも太って帰ってきたわ。
ハタの中華蒸しが美味しかったわ。
60センチくらいの大きな蒸したハタにたっぷりと葱を乗せ、熱した胡麻油をジュ~ッとかけるアレです。
葱の香りと、胡麻油の良い匂いでクラクラしそうでした。
もちろんしっとりとした美味しいお料理でした。
それから色々食べまくったのですが、それ以上は、自慢話しになって妬まれそうなので止めておきます。

鶲さんは月末忙しそうで大変でしたね。
普段とてもアクティブなので、忙しい時はブログはお休みにしても良いと思いますけど?
それでもアップするのがパワフルな鶲さんらしいところなんでしょうけど。

アクアパッツァ美味しそうですね。
私も何時も自己流で造ってますけど、今回のはとても参考になったわ。
次に造る時は、もう少し上手にできそうな気がしてきました。

今は、飽食の旅から戻り、和風の味覚に飢えているわ。
笊蕎麦とか、鯵の開き、秋刀魚焼きなんかが食べたい気分です。
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Unknown ()
2012-11-01 19:30:39
こんばんは~、いつもコメントありがとう。
そうですね、昔はノドグロといえば、ユメカサゴの事でしたね。
いつの間にか、アカムツにその名前を取られてしまった感じですよね。
アカムツも好きなんですけど、それなりのサイズだと、高すぎですよぉ~。
それに、TVのバラエティーなんかで、やたらとノドグロを持ち上げるから、
判官びいきのわたしとしては、アカムツからは距離を取って付き合っているのよ。
返信する
Unknown ()
2012-11-01 19:35:35
>りざたん、こんばんは~

本カサゴは磯に多くて、ユメカサゴは沖合の深海に住んでいるので性格がまるで違うわね。
お刺身なら、本カサゴの方が好みだな。
ただ、本カサゴは、黒っぽくて厳つい色合いなので、こんなアクアパッツァだと不気味過ぎるわ。(笑)
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Unknown ()
2012-11-01 19:41:24
>Kiralieさん、こんばんは

香港羨ましいです。わたしは一回だけ行った事があるわ。
お料理がホントに美味しいのよね。
わたしは、政治も経済も、中国に対しては否定的なんだけど、
お料理と陶器、漢詩の素晴らしさには何時も心酔しているわ。
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