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蜜蜂と蜘蛛

2016-06-15 17:59:52 | 随筆
ぼんやり考えてみると、蜜蜂一家(一巣)の生態はいまからの経済社会生活の実態に似てくるのではないのでしょうか。働きバチは花粉を摂取して胎内で王乳(ロイヤルゼリー)を造るけれど、多量に与えられたのが女王バチ、少量与えられたのが働きバチになるとのことです。そして女王バチは働きバチの生殖巣の発育を抑制します。それで数万匹にもなる集団となるのですから。
英ウェーズで先ごろ、ハチの群れが二日間にわたって自動車に取り憑くという事故がありました(CNN)。車の持ち主が自然保護区を訪れた際に女王バチが舞い込んだのを気付かなかったのです。帰りに店に寄るため車を止めた際、数千匹のハチの群れが車にしがみついました。しかるべく処置はしましたが、翌朝にも蜜バチは再度来襲、今度も養蜂家が呼ばれて蜂の群れは除かれました。
ところで今昔物語には、一〇二〇年藤原道長が出家造営し、病没した京法成寺の阿弥陀堂の軒に巣を架けてた蜘蛛と蜂の智慧比べの一戦があります。この蜘蛛の巣はおそろしく長くて軒端から東の池まで延びていました。通りかかった蜂がかかりました。御堂を預かるお坊さんが見て哀れと思い小枝で落としてやります。しかし蜘蛛は容易に絡んだ巣糸のため逃げ得そうにありません。一両日後大きな蜂がやって来て軒のあたりを頻りに覗っていす。すぐにも同じ大きさの蜂が三百匹ばかりがやってきました。そして四方八方探し廻り遂には東の池に狙いをつけ、蓮の葉の上でぶんぶん唸りながら一時間ほどして飛び去りました。その後お坊さんは蓮の裏葉に隙間なくある針穴を見つけました。水際でほかの葉に紛れて気づかれまいとでも蜘蛛は思ったのでしょうか。

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