HIROZOU

おっさんの夜明け

初めての冬

2017-10-20 11:36:55 | メモリー

昨晩は何だかもう寒くってベッドで体を丸めて寝た

布団に包まってうつらうつらしてたらいつもの情景が浮かんだ

一人暮らしを始めて最初の冬

18歳

三畳一間、家賃8千円はその頃でも破格の安さだった

あれはいつ頃だったんだろう

夜、万年床のせんべい布団に包まって寝てたら

隙間風が部屋にピープー吹き込んで来て

鉄枠のガラス窓がガタガタと音を立てた

ただ寒くって寒くって膝を抱えて布団に頭まで潜り込ませた

ガタガタ震えながら夜が明けたら

窓ガラスに面した便所の手洗い程の台所が凍って

水道の蛇口に氷柱が下がってた

あやゆく室内で凍死する所だった

だけどあの頃が懐かしいな

梅田の予備校に通ってたんだけど

予備校よりパチンコ屋の方が出席率が高かった

御堂筋の歩道に黄色い銀杏の葉っぱが風に舞い

地下鉄の換気口から埃っぽくて生暖かい風が吹き出された

一人になって初めての冬

コメント
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