自分は大阪から福岡にやってきて今年の10月で25年になる。
いろいろやってきても、まだまだしっくり行かないところはたくさんある。
ていうか、元から福岡の人間にとっては自分は「異邦人」なのだな、
という現実を刃のように突きつけられている。
こういうゴール裏稼業や舞台のことで「表現する」ことを生業にしていたら余計に。
今日見学した「劇団太陽族」の「往くも還るも」という演目はそういうことを
改めて確認した一本でした。
話は1994年の7月の神戸新開地、
いろいろな傷を抱えて自分の原点にたどり着いたところから話は始まる。
そこから隠してたことに気が付いて、折り合いつけて、新しい場所を見つけて
その場所に戦いに赴くところでおしまい。
まあいろいろな複雑すぎる感情の中で自分らは生きているのだ。
そしてその戦いに赴く日があの阪神大震災の前の日か、その当日。
(ぼおっと見ていたから現場では気が付かなかった、
今になって気が付く自分の馬鹿さ加減に腹が立つ)
あのあとも大概な「修羅場」があっていろいろ大変だっただろうな。
今回は西鉄ホール主催の「のびのび企画第二段」、ということで
昨シーズンは福岡の新進女性演劇人を「のびのび」させる企画だったのが
ことしは福岡の注目男性プレイヤー二人を大阪のカンパニーに
ひと月ぶち込んでお互いの「けみすとりー」を引き出させる企画となった。
グレコの山下さんは福岡では名バイプレイヤーとして定評があるけれど、
十分にメインでも戦える力量をつけて福岡に還ってきたし、
最大の収穫ががらぱのしいきさん。
ぱっと見、陣内孝則の再来か、と思いました。
くどいほど熱い、でもうまい。
・・・・・・えりこねえさん、すごいよ。