今日は、前ブログの「マダラクワガタ」採集日に確認した
他のクワガタムシを記録します。
日時:2015年9月20日・12:30~
天候:晴れ、夕刻には一時霧発生・気温:23度前後
同行:大阪のTさん
コクワガタ(1♂)
以前複数のスジクワガタを見つけた木にコクワガタのオスがいました。
もうスジクワガタの姿はありません。
この山では朽ち木からコクワガタを発見することはさほど珍しくありませんが
樹木に付く成虫を発見するのは稀なことでこの日はラッキーでした!
発見時は、樹皮の隙間に隠れるようにして納まっていましたが
ちょっとだけ出てきてもらいした。
↓ オス40㎜くらい
スジクワガタ(1♂)
標高1000m付近のヤナギ細枝で
大きなアリに追い立てられているところを発見しました。
オスですが体長は15~16㎜程度、やはり小さい!
こちらのスジクワガタは持ち帰りました。
アカアシクワガタ(8頭)
↓ 中型のオス、枝を強く噛んでいます(画像中央部)
↓ 小さいほうは先述のスジクワガタ
当日発見できたアカアシは8頭で、撮影後に全てリリース。
ヒメオオクワガタ
この日は楽なルッキングでの発見はありませんでしたが
いくつかの斜面には樹木に付くヒメオオクワガタがいました。
発見できた場所は、険しい斜面ばかりです。
↓ この下は急な斜面になっています
↓ 真横に斜面が迫り、下を見ると怖いです。
↓ ようやく見つけた最初のオス
異なる標高でも谷筋にヒメオオクワガタがポツポツ付いています。
ここも険しい斜面で、よく滑るため油断が出来ません。
そして、この日はなぜかオスばかりでした。
↓ ヒメオオクワガタの発見できる木本の葉
この山にはそれらの木本全てが密生している急斜面があり
そこでは毎年高い確率でヒメオオクワガタを発見できるのですが
アカアシクワガタの姿を見ることはなく
これら2種は、上手に棲み分けをしています。
9月も半ば過ぎ、発見できたクワガタムシは5種でした。
このほかに同定できなかった幼虫1頭をTさんが採取しました。
この山では毎回オニクワガタの野外活動個体を狙っているのですが
残念ながら今年もお目にかかれませんでした。
気にしなかった頃には何度か発見したことがあるのですが
意識するとうまくいかないですね。
夕刻には一部ガスが発生して急激に気温も下がりはじめ
日没には吐く息が白くなりました。
一昨日、県北部の山でマダラクワガタを採ってきました。
↓ 直径50cm近くあるブナの倒木赤枯れより採集
目的は飼育観察するためです。
これまでは放置飼育しかしていなかったのですが
今年から少し観察をしてみようと思います。
採集場所は、一昨日に行った山の標高1000m付近になります。
これまでに生息確認をしていた場所より
60~100mほど高いところの個体群です。
株の根元にはミヤマクワガタ メスの死骸
画像中央部ミズゴケの中 ↓
↓ この辺りにミヤマも産卵したのかもしれません
↓ 飛び散った赤枯れ片から出てきたマダラクワガタ
↓ とても小さな個体も出てきました(隣は煙草)
私の割り出し方
持ち帰った赤枯れ片内に本当に成虫がいるか確認をします。
幼虫の場合は白いのですぐ判るのですが
成虫となると小さく地味色なため
見つけるのは結構大変です。
そこで私は次のような方法でマダラクワガタを確認しています。
日当たりのよい場所で白い紙などを広げ
その上で破片や砕いた材を細かく崩していきます。
マダラクワガタは、日光と高温を嫌う傾向にあるので
成虫が破片外にいれば動き出すため
すぐに見つけることができます。
↓ あわてて動き出します
↓ 左はメス 右はオス
動き出したら直ちに容器に入れるなどして
高温から避けてあげます。
また、マダラクワガタはほんの小さな材中にも入っていることがあるので
最新の注意で丁寧に慎重に材を崩します。
飛翔
マダラクワガタは、飛翔するイメージがあまりなかったのですが
日光下で体を逆さにすると素早く羽を広げて飛ぼうとしました。
野外でも案外飛ぶのかもしれません。
↓ 逆さ向いたメスは何度も飛翔を試みました
↓ 透明で、観察しやすい円中の2Lブロー容器
↓ 左の容器は同定できなかった不明幼虫の飼育検証
今回持ち帰った赤枯れ片は全て崩したわけではありませんので
全部で何頭いるのか判りませんが
最低でも3頭を確認しました。
マダラクガタは、非常に小さな種なので
どこまで踏み込んだ観察ができるか判りませんが
暫くこれと付き合ってみます。
マルバネクワガタの飼育観察をしていると興味深い行動をいくつか見ることがあります。
今回は、飼育下のオキナワマルバネの配偶行動について
少しの考察を交えながら綴ってみます。
交尾
交尾終了
交尾の後に精嚢と思われる白い粒が排出されます。
この白い粒は、交尾器を抜くときに出てくる場合や
或いは抜いてからメスが排出する場合があります。
↓ 交尾器を抜く途中で排出された白い粒(画像中央)
ただし、メスが初めての交尾時には排出されません。
一般に「昆虫は最後に交尾したオスの遺伝子が多く残される」といわれています。
このことから、画像にある白い粒は
前回の交尾でメスの体内に貯蔵された精嚢を今回交尾したオスがかき出したものと想像します。
画像中央:白い粒(柔らかい)、中味は完全な液体ではなく半固形状です。
↓ 大きさは3㎟前後
オスの攻撃
交尾を終えたオスは交尾体制のまま今度はメスに攻撃を始めます。
先ほどのことが・・・まるで嘘のようです。
↓ 攻撃中
オスは激しい攻撃を続けた後、足早にその場を去っていきます。
また、メスも同様に動き出します。
これらの行動はメスが他のオスに捕まらないようにするためと、移動させることで産卵が促せ
自分の子孫を残すことに繋がるのではないかと私は想像しています。
また、オス同士の戦いは、投げ飛ばされるなどして負けた方がさっさと退散します。
↓ 大歯同士
徘徊
飼育下では蛹室脱出後、容器内高台に留まっている日が暫くあります。
↓ 結婚相手がやってくるのを待っているのでしょうか?
そして、その後 配偶者を求めて徘徊が始まります。
特に夜間はガサガサ音が増え、日にちの経過とともに昼間でもよく動くようになると感じています。
交尾を済ませたメスは用意した産卵セット(5L容器)に移し替えます。
餌はあまり食べていませんが、食べなくても産卵は出来る種です。
9月13日に移し替えて5日後の18日にマット内を確認してみると卵が5個出てきました。
一日1個の割合、産卵指数は1になります。
↓ 採れた卵は別容器に移し管理します
産卵セットに使用したマットは同種の幼虫が育ったマットですが
今回は、気持ち水分少な目で強く握っても水分が滲み出ない
フカフカより湿っている感じ。
ここは文字で伝えるのが難しいところです。
産卵スイッチの入ったメスも徘徊をしますが、日中は潜っていることも多く
この時に産卵をしていることが多いのではないかと私は考えています。
最後に
マルバネの飼育をしているとその生態・行動に興味引かれることが多く
ブリードすることより、そちらに気がとられてしまいす。
毎度のことです。
そして、少ない経験と観察から見えてくるものも限られています。
これも、毎度のことです。
ついに念願のチャイロスズメバチを捕らえました!
シルバーウィーク前夜
車庫でクルビデンスオオクワガタの幼虫割り出しをしようと電気を付けたら
何やらブーンと飛び始めました。
最初はアブかと思ったのですが少し違う雰囲気があります。
「もしかしてハチ?」
刺されても困るのでとりあえずそばにあった網で捕獲。
どうやらハチの様子。
しかも茶色と黒のコントラスト・・・
チャイロスズメバチです!
その大きさからして女王のようです。
後で測定したら30㎜ほどありました。
まさかあれほど探していたチャイロスズメバチが車庫で採れるなんてウソのようです。
これで、私の住む地域にもチャイロスズメバチが棲息していることもわかりました。
興奮冷めやらぬまま、刺されないよう慎重に容器に移し替えます。
チャイロスズメバチは
モンスズメバチやキイロスズメバチの巣に寄生する珍しい種です。
新女王はそれらのハチよりあえて遅く出現し
春~初夏に単独営巣しているモンスズメバチや
キイロスズメバチの女王を殺し巣を乗っ取ります。
そして、ある一時期にはチャイロスズメバチと
乗っ取られた元の種の働きバチとが一緒に営巣します。
また、チャイロスズメバチの体表は硬く、毒針も太くて長めで
強敵の攻撃に備えているといわれています。
加えて、攻撃性も強いそうです。
捕獲した個体はサクエチを入れたビンに投入して静かになるのを待ち早々に展翅しました。
とても渋いハチです。
↓ シリカゲルを詰めたタッパーで乾燥させることにしました。
参考URL:
都市のスズメバチ.
http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/infomation.htm
昨日、友人Tさんと二人で県北部へ高山性クワガタを探しに行ってきました。
天候:おおよそ晴れ、平地の気温:27度前後
標高:300~850m位まで
林道沿い
目指した山はアカアシクワガタ・ヒメオオクワガタの
*古い記録があるところです。
(1988年 アカアシクワガタ・ヒメオオクワガタ(文献有))
その山塊にある二つの主林道と
その枝分かれルートも見てきました。
また、余った時間を利用して近隣の山にも入ってみましたが
結果はゼロ。
この辺りの山はそれなりにブナ帯もあるのですが
アカアシやヒメオオが好むヤナギ類や
ヤシャブシなどは殆ど見つからず、
県下の他産地とは植物相が少し異なるように感じました。
また、標高も もう少し欲しいところです。
↓ 林道沿いはなぜかこの木が大繁栄
北斜面、既に赤くなりつつある木もありました。
↓ 最初のコースでは広大な範囲で自然林が伐採がされていました。
途中、蝶屋さんと出逢い”そそられて”網を振ってみました。
キチョウらしき小さな蝶(撮影後その場でリリース)
そして、16時過ぎまでいくつかの林道を見て回りルッキング終了。
ライトトラップ
軽く夕食を済ませ、しばし休息
次は、夕刻を待って谷筋周辺に棲む昆虫をライトで集めてみます。
↓ 捕虫網にも光を当てて集虫!
この日は薄暗いうちから
おびただし数の羽アリが飛んできました。
そして、次第に飛来する虫は大きくなっていきます。
↓ お決まりのオオミズアオ
昨日は気温もさほど低くなく、曇り空
天候としてはまあまあの条件だと思ったのですが
クワガタの飛来はありませんでした。
代わりに(?)ゴホンダイコクが1オス・4メス飛来
小さな糞虫ですがオスは立派な角を有しており
見ごたえがあります。
他には、蛾・シデムシ・カマキリ・ガガンボ・ハンミョウ‥・
そして、大型のカメムシ2頭(緑系)。
「あれっ、このカメムシ初めて見る!」
躊躇なくカメムシを掴むTさん。
そんなわけでカメムシとゴホンダイコクは
過去に環境調査会社で働いていたことのある
友人のドイツ箱行きです。
時刻は8時半を回り、この日のライトトラップは終了です。
昨日は残念ながらクワガタの姿を見ることは出来ませんでしたが
日中には寄り道をして ものすごいカツラの木も見ることができ
楽しい1日になりました。
Tさん 長時間の運転お疲れ様でした。
おまけ
↓ 国の天然記念物 大カツラ
巨大です!
ヒメオオクワガタを探しに県北部まで行ってきました。
今日は久しぶりの単独行です。
昔はいつも一人でした。
当時は周りに趣を同じとする人はおらず
時々四国や関東の方と長電話をしたり
能勢や山地帯で出会ったクワガタ屋とか
蝶屋とかカミキリ屋などといった
虫屋さんと数少ない出会いを楽しんでいました。
「あのころは今より情熱があったな~」
などと思いにふけながら
車を走らせました。
現地到着は12時半頃
標高は900m以上、気温22度くらい
天候は晴れてもおらず曇ってもおらず
風もほとんどなし、なかなか良い感じです。
私のヒメオオクワガタ採集法は
林道から谷川に斜面を下ることが少なくなく、
一般的なルッキングとは少し違うのかもしれません。
時には斜面を這うように進むこともあります。
↓ 下る途中、林床にミヤマクワガタ
65mm位の個体でした。今年の分でしょう。
↓ ここにはヒメオオクワガタのオスが!
斜面のため時折り目線が林床に近くなり
こういった死骸が目につきやすのかもしれません。
そして、ポイント到着。
ここには3年前までカワヤナギとバッコウヤナギが
数本ずつありましたが
雪崩や乾燥化(?)のせいか
今ではバッコウヤナギが3本だけになりました。
周りの木々にも触れないよう遠巻きで枝の隅々まで探しますが
あるのは新しい食み痕だけで
ヒメオオクワガタはおろか
アカアシすら付いていません!
一番期待していたポイントだけにがっかりです。
↓ 仕方なく隣の木をゆすってみます。
”ボトッ”と何かが二つ落ちたのですが
どこに落ちたのかよくわかりません。
慎重に林床を見渡すと何やらごそごそ・・・
いましたヒメオオクワガタ! オスです。
もう一つは恐らくメスではないかと
辺りを懸命に探しましたが見つからず。
結局 今日発見できたのはこのオス1頭のみ
体長は46mm程度でした↓
私の知る限り
この山でのヒメオオクワガタ記録(出版物)はありません。
他の採集者(ヒメオオクワガタ)と出会うこともありません。
したがって無用な圧がかからぬよう特に意識しています。