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自律的なモチベーションの獲得プロセス ~他律から自律へ~

2015年01月08日 | 動機づけ・モチベーション・習慣


(1)学習における、自律と他律
何か新しいことを身につける学習には、他者が存在している。教師や親、兄弟、友人、先輩・後輩。
他者が、学習のモチベーションに、どの程度、関わっているのか? 他律
自分が、学習のモチベーションに、どの程度、関わっているのか? 自律

(2)自己決定理論
自律とは、独立ではなく、自己決定のこと。自分のことを、自分の人生を、自分で決めること。
学習の理由(モチベーション)について、他律と自律(自己決定)に注目するのが、自己決定理論(デシとライアン Deci & Ryanによる)。
他律と自律が、学習の理由(モチベーション)を、どのように調整しているか?

0) 非動機づけ(無調整): やる気ゼロ
1) 外的な調整: 人に言われて、叱られるから
2) 取り入れによる調整: 義務だから、できないと恥ずかしいから、将来困るから
3) 同一化による調整: 学習に価値を感じるから、将来役に立つから
4) 統合による調整: 自分らしさ(アイデンティティ)と一致しているから
5) 内発的な調整: 活動・内容それ自体が楽しいから

(3)自律を促す要因
1) 自律性の欲求: 自分のことを、自分で決めたい。
2) 有能さの欲求: 分かるようになりたい、上手になりたい。
3) 関係性の欲求: 人と一緒に、助け合って。上手な人をモデル・目標にして。

(4)他律は、良くないのか?
0)の非動機づけは、やる気ゼロの状態。興味や価値を感じない・分からない・できない・できそうにない、など。
他律のモチベーションは、強力な駆動力で、行動を開始させることができる。最初のきっかけとしては、有効。しかし、それに頼り続けることはできない。

その後は、他律を交えつつ、自律を促す働きかけへと、移行する。とくに、2)取り入れ → 3)同一化の移行が鍵。他律から自律への移行が、最も困難
そのための方法としては、(3)の自律を促す要因、1)~3)。1)について、生徒・学生の将来イメージ(キャリア)と関連づけることも、1つの方法。
併せて、分からない・できないことへの、手立ても必要。やる気がないことの、根本的な原因を解消する。

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