みんなの幼稚園

ひぶな幼稚園での子どもたちの様子
モンテッソーリ教育について紹介いたします。

成長に必要なこと

2008年08月21日 | モンテッソーリ教育
「やりたい遊びが成長に必要なこと」

モンテッソーリの現場では子どもは好きなことを好きなだけすることが出来ます。
「桃色の塔」をやっている子、パズルをやっている子… 決して先生からやりなさいと命令されているわけではありません。
自分で選んでやっているのです。

この姿が、幼児期にある子どもの自然な姿なのです。

幼児期にある子どもは、勿論遊ぶけれども、ただ遊ぶだけではなく、もっと成長に必要な「何か」をしたいという衝動が働いています。

モンテッソーリ教育ではその「何か」を子ども達の成長に合わせて提供します。
「何か」とは環境であり教具でありと、整えられた環境の中に準備されています、

小さい物への敏感期

2008年06月12日 | モンテッソーリ教育
「小さいものへの敏感期」は、「感覚の敏感期」と関係しています。様々な情報を正確に取り込むためには、精度の高い感覚器官が必要となります。

例えば、
園庭でじっとアリの行列を長時間見つめている。これは、小さなものを見続けることによって目という感覚器官を刺激し、視覚器官を育てようとしているのです。

また、大人が気づかないような微かな音、「はるか遠くを飛ぶヘリコプターの音に気づいて耳をすませる」「下水を流れる水の音をずっと聞いている」などの行為も、聴覚器官を育てる同様の行為です。

この時期、子どもは普通の刺激ではなく、かなり注意しなくては感覚器官に入ってこないような刺激に興味を持ち、微妙な違いをくらべます。

このような子どもの行動に根気よく付き合ってあげることが大人の役割になります。そして、それに見合った感覚教具と向き合うことでその器官が整理され洗練されていきます。

「そんなことどうでもよいから早くいくよ」では子どもの発達をただ邪魔することになってしまうのです。


感覚教具と敏感期

2008年06月03日 | モンテッソーリ教育
私達は日常生活において普通は同時にいくつもの感覚器官を刺激されながら生活しています。

例えば
公園に行ったら木々の匂いがしたり、花の香りがしたり、子ども達の遊ぶ声、花に集まる虫が目に入ったり…と「視覚・聴覚・嗅覚・触覚・(味覚)」を同時に刺激されます。

子どもは生まれてから三年間位は見たり・聞いたり・触れたりしたものを全てありのままを吸収します。
その時期を過ぎると今度はそれらは整理して「知識」として秩序化していくようなります。

モンテッソーリの感覚教具は混沌とした情報を整理するために、一つずつの感覚器官を別個に刺激するように作られています。
そして、同時期に必ず訪れる「感覚の敏感期」を見逃さないで、それに対応する感覚教具に出会わせて、感覚器官を刺激し諸感覚の発達も促します。


『色板①』視覚教具 ~ 赤・青・黄 の基本の三原色の紹介

2つの同色の板を探し合わせる。
色への興味・環境への興味・言葉の発達・色彩感覚などを養います。
またこの3色は信号機の色にもなっています。
生活していく上で知っておかなければならない基本の色ですね。


応用~環境から同色を探す。
   教室・園庭などから同色の物を探して遊びます。
    先「物には必ず色が付いているんだよね。」
    子「せんせい、これは何色?」
  この後は、『色板②』『色板③』と展開し、色の数が増えたり、濃淡がついたりした教具が登場します。

縦割り保育

2008年05月16日 | モンテッソーリ教育
 モンテッソーリ実施園の基本は縦割り保育で、そこで見られる現象は「ぎすぎすした競争意識」がなくとても穏やかで和やかな雰囲気です。

 競争意識が悪いというわけではありません。「先に完成すれば良い・早く済ませれば勝ち」ではなく、そのことの本質(何を目的として行なっているのか)をいかに自分に吸収するかが大切なのです。

〈「箸によるより分け」~箸を使って種類別にゆっくりより分ける。〉

 箸の正しい使い方は勿論、指先の訓練・集中力・自制心・抑制力・自信が身につきます。
 もしこの作業(お仕事)を全員が一斉に行なったらどうでしょう。
 決してこの教具の本質を吸収することは出来ないでしょう。



 0~4歳は自己を確立する時期です。例えばこの頃のに弟や妹が出来たとします。親は「お兄さんになったのだからお世話をして」と思うでしょう。しかし子どもは知らん振り…

 この頃の子どもの目は自分に向いています。それが自分の中に自信が満ち溢れ、自己確立が出来てくると、その目はだんだん自分を取り巻く周りに向いていくのです。靴を履けない子、教具の使い方が分からない子がいたら、「当たり前」のように「何の見返りも期待することなく」手伝いを始めます。

 「社会性」や「協調性」はまさに「縦割り保育」中で自然に育ちます。同年齢のグループで、同じこと・同じ時間帯でやるから社会性や協調性が育つわけではないのです。その前提として異年齢での環境があるわけです。

〈年長児が年中少児の先生となり教具の使い方を教える姿〉

 モンテッソーリ教育を行なっていると、子ども達の助け合い、教え合いが多く見られます。先生が教具の使い方を教える他に、他の子どもがやっているのを見て、自分もやってみたいという意欲が沸いてくることが圧倒的に多く見られます。

 特に3歳・4歳の子どもが、5歳・6歳児の作業(お仕事)をじっくり見ていて、覚えたり動機付けされ、自分も5歳になったらやってみようと思うのです。

〈年長児の地図の色塗りをじっと見ている年少児〉
『おねえさんって凄いなぁ、私も年長さんになったらやってみたいなぁ』

教具

2008年05月12日 | モンテッソーリ教育
 モンテッソーリ教育実施園の保育室をご覧になった人は「どうしてあんなに沢山教具が並んであるんだろう」と思うかもしれません。

 でも決して、全部子ども達がやらなければならないということではありません。自分の好きなものを好きなだけ繰り返してやることができます。

 幼児の素晴らしさはどんなに難しいものでも、その時その子に必要なもの(敏感期)であれば、必ず最後までやり遂げようとします。敏感期にある子は困難は喜びにしかすぎません。

 ですから、その敏感期を逃さないよう沢山のチャンスを与えることが出来るように、オモチャではない「意味のある教具」を沢山用意しているわけです。

秩序の敏感期

2008年05月08日 | モンテッソーリ教育
一歳頃から三歳頃をピークとし5歳頃に消えていく感受性を「秩序感」と言います。
この時期は、順序や場所・習慣などがいつもと決まっていなければ気がすみません。 いつもと同じ場所・順序・やり方・同じ人のものetc…

いつもと順序が違ったり、違った場所にあったり、いつもと違うやり方だったりするとぐずったり大泣きをする。 でもふとしたことでご機嫌になったり…
子を持つ親なら幾度と経験されたことと思います。

「あ~ そんなことどうでもいいのに」「どうしてそんなことにこだわるの いじっぱり」etc… イライラ…

でもこれは子どもの脳の発達と深く関係していることなのです。

一歳を過ぎると、脳の「距離感や上下左右」の位置感覚を認識する部分が発達する時期が来て、二足歩行により自由になった手と目からの情報を組み合わせて、自分と周囲を認識していきます。
ですから、場所・位置・順序などが変わってしまうとその認識が壊れてしまい「不安」になってしまうのです。

この一歳頃から現れる秩序感を「見る目」をもち、怒りせき立てずにちょっと様子を見たり笑いかけたりしてみてください。
子どもがせっかく発達しているのにそれを喜ばずにイライラするのは損ですよね。


「秩序感」の要素を持った教具 2歳児保育より

同じ色を同じ場所に入れる。中には色の順番をもこだわる子もいます。
指先の訓練や色彩感覚も養えます。
そして活動(お仕事)を繰り返すことで集中力がつきます。

敏感期

2008年04月26日 | モンテッソーリ教育
 子どもが生き生きと成長し、発達する姿の中に見落としてはならない大切なことがあります。
 それはそれぞれの能力が発達し、身についていくのには一番適した時期があるということです。モンテッソーリ教育では「敏感期」といいます。

 例えば赤ちゃんが話し言葉を身につける時期、適切な環境があれば、特別な指導も意識的な努力もなく、日本語を覚えることが出来ます。しかし大人は懸命に努力しても、英語を同じように身につけることができません…

 それは「敏感期」をすぎてしまっているからです。このように敏感期は一過性のもので、敏感期にある時期は、力にあふれ容易に、むしろ『喜び』を感じつつその能力を獲得することができるのに、この時期が過ぎてしまうと、同じ事を習得するのに大変な努力を必要とすることになります。

 これは、「秩序感」「感覚(五感)」「運動」「言語」「数」etc… も同じでその敏感期のほとんどは『幼児期』に集中しています。
 
 モンテッソーリ教育では、二度と来ないその時期を逃さず十分な発達が遂げられるよう多くの教具を準備したり、細かい教育的配慮をしています。

 
  

マリア・モンテッソーリ

2008年04月23日 | モンテッソーリ教育
この『みんなの幼稚園』では、モンテッソーリ教育について皆様に出来るだけわかりやすいように紹介していきたいと思います。

『モンテッソーリ』とは人の名前です。
マリアモンテッソーリは、イタリア最初の女性医学博士です。
イタリアのローマで医師として精神病院で働いていたモンテッソーリは知的障害児へ感覚教育法を施し、それが健常児以上の知的水準になるという効果を見ました。
 1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させました。


イタリアの紙幣を飾った『マリア・モンテッソーリ』