首相は16日午後、安保法案の衆院通過を受けて首相官邸で記者団に、「日本国民の命を守り、戦争を未然に防ぐため、絶対に必要な法案だ」と強調。その上で、「国民の理解が深まっていくよう党を挙げて努力していく」と語った。

 これに対し、成立阻止を掲げる民主党の岡田克也代表は、国会前で開かれた集会で「憲法違反の安保法制は撤回、廃案に追い込んでいく」と対決姿勢を鮮明にした。維新の松野頼久代表も記者会見で「野党が一つになっていく必要がある」と述べ、野党共闘を重視する考えを示した。

 憲法は、参院が送付された法案を60日たっても議決しない場合は否決したと見なし、衆院で再可決できると定めている。これを16日の衆院通過に当てはめると、9月14日以降に「60日ルール」を適用できる。衆院特別委員会での審議は約116時間。与党は定例日に縛られない特別委員会を参院でも設置し、8月下旬から9月上旬の成立を目指して野党各党に審議促進を呼び掛ける方針だ。 【時事通信社】