言の葉

気の赴くままに、ひたすら詩を綴っています。

フライヤー

2018年03月08日 | Weblog

風がうなるのは 何故
雨がうねるのは 何故

飛んでいけ 飛んでいけ
飛べるだけ 飛んでゆけ

真っ白い綿帽子になんか
負けて たまるかって

飛んでいけ 飛んでいけ
遠く遠くへ 飛んでゆけ

鳥の羽に叩き落とされるなら
いっそ本望だと 一直線に

木っ端微塵に砕かれるなら
むしろ会心だと 粉々に

飛んでいけ 飛んでいけ
塵になって 飛んでゆけ



obsession

2018年03月07日 | Weblog

穿違えた「一途」が独り歩きしている

あなたが抽象的だと嗤うものが
私には はっきりと見えているのよ
詰まりは そういうことなのよ

終わりは いつだって そこにある
見えていなくても 確かに ある
見ようとしなくても 確かに あるの



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2018年03月05日 | Weblog

歪むほど苦しんだのは
少なからず そこに
愛があったからだよ ねぇ?

そう信じさせてよ ねぇ?

悲しみは
涙なんかじゃ流れない
時なんかじゃ癒せない

かわりがほしい かわりがほしい
もっと愛せるものが ほしい
もっと温かいものが ほしい
そうでなきゃ壊れそうだよ ねぇ?

心のバランスを保てるのは
いつだって 記憶更新できるほどの
新しい何かを手に入れたときだけ



シンキスム

2018年03月04日 | Weblog

まるで剥がれ落ちていく皮膚の欠片みたい
大事にしたいのに 大事にしたかったのに
ぽろぽろと擦り抜けて行っては形を失くす

この手で 本当に取り除きたかったのは
その小さな胸に巣食う 不安だけ だった

揺れる瞳 ただ優しく 見つめて 笑いたくて
震える肩 ただ愛しく 抱きしめてあげたくて
そっと そっと 大事にしたかったのに

冷たい雨 せめてこの亡骸 薄暗闇に隠してほしい
つむじ風 せめてこの欠片 遠くへ飛ばしてほしい



planet Earth and all life upon it

2018年03月03日 | Weblog

躊躇いがちに差し出された手の形を
指先に至るまで 克明に覚えています

空を見あげれば鴇色の花々が咲き乱れ
地面を見つめれば赤い実がたわわと成り
世界は生命の色に満ちて燦々と煌めく

眩しさの中で失われていくものも多いけれど
ここは たとえようもなく 美しい世界です

静かな朝 春の木漏れ日 白々しい鳥の声
光が躍る雫 揺れる葉っぱ 空が曇っていく
「雨が降るかな」と独り言ちただけなのに
まぶたの裏に浮かぶ やわらかな微笑み

生きているかぎり ずっと忘れないの
春が来るたびに 心がちりちりと痛むの
暖かくなって やがて夏に移り変わる
その時期が 一年の中で いちばん嫌い



真っ赤な夢

2018年03月01日 | Weblog

理解あるふりをして吐き出される
差別だとか侮蔑だとかに苛まれて
アイデンティティを見失いかけていた

真っ赤な夢を見て 怖くて泣いて
勢いよく目覚めたら 濡れていて
しばらく動けず 毛布に包まっていた

私が本当に恐れているものの正体を
きっと誰も知ることはないだろうけど
そのくらいのことはやってのけるけど

真っ赤に染まった指先は綺麗なまま
何を辿ることもなく 爪を立てるだけ
何を愛でることもなく 掻き切るだけ