上善如水

ホークの観察日記

『ユメ十夜』

2009-10-04 20:33:27 | 映画

映画『ユメ十夜』を借りて来ました。

夏目漱石の『夢十夜』という、漱石にしては珍しい十編の短編からなる小説を、十人の監督が映像化した作品です。

制作は2007年。

十人も監督がいると当たりハズレがあります(笑)

第一夜はウルトラマンシリーズで有名な実相寺昭雄監督。

第二夜は巨匠市川崑監督。

原作を忠実になぞった物から、ほとんど「関係ないじゃん!」という物、第七夜では天野喜孝さんの幻想的な絵をCGで描いたアニメ作品まであります。

出演している俳優さんも多彩で、小泉今日子、うじきつよし、山本耕史、市川実日子、阿部サダオ、藤岡弘、緒川たまき、ピエール瀧、松山ケンイチ、石坂浩二などなど。

個人的には第十夜に出演している本上まなみさんが、和服美人からブタの怪人に変身したりして面白かったです☆(ファンなので♪)

原作を読んだばかりなので興味もありました。

「こんな夢を見た…」

で始まる十編の夢物語は、どこか幻想的で、ホラーで、夏目漱石にこんな作品があるなんて知らなかったんですよね~

平安時代から鎌倉時代にかけて活躍した仏師「運慶」が江戸時代まで生きていて、仁王像を彫る、という松尾スズキ監督の第六夜では、なぜかいきなりブレイクダンスが始まりこんな解釈があったのかと思わず感嘆!

やりすぎだけど、とっても楽しい♪

ホラーが得意な豊島圭介監督の第五夜は血が飛び散ってさすがに怖いけれど、『呪怨』の清水崇監督の第三夜は、原作の怖さをよく再現していて、精神的な怖さがあります。

一つの作品としてはちょっとチグハグさが否めませんが、これだけの監督、出演者をよく集めたなぁ~と思いました。

人間の想像力ってこんなにも多種多様なんですね~

十人の監督がすごいのか、夏目漱石がすごいのか…