八田焼 利兵衛窯始動?

 江戸時代初頭に操業を始めた、歴史のある八田焼です。ところが、13代、14代佐兵衛が相次いで、この世を去りました。そして

伊賀に耳あり、信楽に耳なし

2007-01-14 22:01:29 | 伊賀
 この花入は、伊賀の名品 銘芙蓉を真似て作った物です。



 「伊賀に耳あり、信楽に耳なし」と言われます。作り手から見ると、耳は、非常に重宝で便利な物なのです。なぜなら、整形しても、何か物足りない時に、耳を付けると、何とか、ごまかせられるのです。しかし、信楽のように、耳を付けない時は、形が非常に大事になります。つまり、良い形でないと、信楽は出来ないのです。そんな物でも、耳を付けると見られるようになります。と言うことで、最近は、このような焼き物に、耳を付ける人が多いのです。

 一方、購入する側から見れば、信楽は単純で、物足りなさを感じます。伊賀の方は、手が込んでいて、いかにも、高価に見えるのです。
 しかし、花が似合うのは、信楽の方だと思います。だからこそ、私は、耳を付けたくないのです。

 でも、耳の付け方によっては、リズムが生まれることもあるのです。

秋の夕暮れ 寿長生の郷

2007-01-04 20:26:12 | 伊賀
 自分で作った陶器を、自然の中へと持ち込むと、どうしても、自然の大きさに負けてしまいます。


   

 ここは、大津市にある叶匠寿庵・寿長生の郷です。陶房の傍らにあった池に、自作の壺を置いてみました。案外、何の変哲もない陶器が、自然に溶け込む様です。

 寿長生の郷の秋の夕暮れに、映える信楽でした。 

伊賀焼の割れ

2006-12-26 12:55:42 | 伊賀
 昔の伊賀焼の写真を見ていると、良く割れた物が掲載されています。割れている物は、もちろん、不良品です。

 ところが、こうした不良品を、茶人が「風情」として捉え、珍重した物が有ります。そして、名品として残っているのです。その一つが、五島美術館所蔵の「破れ袋」です。この割れについては、まだ、乾燥していない物を焼成したからとされていますが、実は、これでは、こんな割れにならないのです。こんな事をすれば、爆発して、粉々なってしまいます。私は、人為的な、人工の割れと考えています。

 陶工としては、作為的に作った割れが、自然に出来たと言われれば、最高の栄誉なのです。

 

 これは、自然に割れた物です。しかし、私の物は、割れの入った物が多いのです。自然に割れたように見せて、実は、作為的に割る。それが、上手く、決まったの時の楽しみは、最高なのです。