コメント欄に時々ご登場下さるイラク方言講座のセンセーから、「イラク市民レポート《第一弾》 停電とイラク市民」なるメイルが舞い込みました。年末年始に、バグダードからいらしたイラク人の方々から、バグダードの最近の模様をいろいろとお聞きになったそうですが、開口一番、誰もが口にするのが、停電のひどさだったのだそうです。
自分で発電機を買ったり、発電機を所有する人から電気を売ってもらう等していたようですが、最近の深刻な燃料不足では、その発電機を稼動させることさえ難しくなっているそうです。
イラク方言講座のセンセーは、「アル=ナハダ紙の市民生活のレポートがとてもよいので」と訳を送ってくださいました。転送自由、とのことですので、お言葉に甘えて、このブログで紹介させていただきます。かなりの長文ですので、分割してアップします。ただし、多少の句点を補ったこと、原文よりも改行を増やしたことと、一部、タイプミスと思われる部分のみ修正させていただいたことをお断りしておきます。
2005/1/12 バグダッド発 アル=ナハダ紙
「イラク市民と電気...深刻化する危機...
長時間の停電が市民生活を圧迫、つらい現状をさらにつらいものに」
1年半以上にわたり、我々は、相も変らぬ電気省の果たせぬ約束の言い訳を聞き続けている。実現した約束はひとつもない...危機は日に日に深刻化している。約束は未だ約束のまま...耐え忍んできたイラク人の我慢も限界に達してきている:
停電の危機が一般の利益にどのような影響を与えたのか...この回で紹介したいと思う...
● レミヤーッ・ハサンさん(女性)は停電の危機により打撃を受けた大勢の女性たちの一人に過ぎない。ラミヤーッさんは洋服の仕立屋を営んでいる。もう何年も前から一人で家族を養っている。彼女の家族は三人の男の子...うち一人は最近脊髄に銃弾を受けて麻痺している...と三人の女の子。最年長が中学一年生の女の子。これだけで彼女の置かれている状態と生活がいかに苦しいものであるか想像に難くない。
家は賃貸で、家賃は月額20万ディナール(1ドル約1500ディナール)。レミヤーッさんはいう、
「ここしばらく収入が途絶えて子供たちの生活費も途絶えてしまった。それも度重なる停電のために。もちろん努力をしなかったわけではありません。1KVの発電機を購入して、何とかミシンを働かして仕事を続けようとしましたが、燃料不足が追い討ちをかけてきた。深夜遅くまで寝ずに電気が戻るのを待つ日々を続けている。でも、電気が戻ったかと思っても10分・15分しか続かず、また停電してしまって、仕事にならない。」
ウム・メヘディ(レミヤーッ)は訴える、
「このような状況にどう対処したらよいというのですか?誰が子供の養育費を保障してくれるというのですか?注文した服が期日までに仕上がらないため、お客がどんどん離れていってしまって...」
ウム・メヘディの苦境は14人を養っているサアド・ハッダード(男性)さんよりましではない。サアドさんは鉄工の惨状を訴える...
「仕事は止まっているのに、賃料はどんどん値上がりしている。工業地区の知り合いの鉄工仲間と共同で大きな発電機を購入したのだが、燃料不足のため、購入後わずか1ヶ月で発電機は止まってしまった。なぜ?発電機を働かすための1リットルのガスオイルが千ディナールに達してしまったんですよ!」
鉄工のサアドさんは続ける、
「それにも関わらず発電機に必要な燃料を皆で購入し続けたが、悪徳闇商人が人をだまして燃料に混ぜ物を加えるから、発電機の調子が悪くなってしまった...ご覧のとおり商売上がったりというわけだ...政府の責任者のお偉いさん達が何とかしてくれるのを待つしか術は残されていないってことだ。」
・・・つづく。
自分で発電機を買ったり、発電機を所有する人から電気を売ってもらう等していたようですが、最近の深刻な燃料不足では、その発電機を稼動させることさえ難しくなっているそうです。
イラク方言講座のセンセーは、「アル=ナハダ紙の市民生活のレポートがとてもよいので」と訳を送ってくださいました。転送自由、とのことですので、お言葉に甘えて、このブログで紹介させていただきます。かなりの長文ですので、分割してアップします。ただし、多少の句点を補ったこと、原文よりも改行を増やしたことと、一部、タイプミスと思われる部分のみ修正させていただいたことをお断りしておきます。
2005/1/12 バグダッド発 アル=ナハダ紙
「イラク市民と電気...深刻化する危機...
長時間の停電が市民生活を圧迫、つらい現状をさらにつらいものに」
1年半以上にわたり、我々は、相も変らぬ電気省の果たせぬ約束の言い訳を聞き続けている。実現した約束はひとつもない...危機は日に日に深刻化している。約束は未だ約束のまま...耐え忍んできたイラク人の我慢も限界に達してきている:
停電の危機が一般の利益にどのような影響を与えたのか...この回で紹介したいと思う...
● レミヤーッ・ハサンさん(女性)は停電の危機により打撃を受けた大勢の女性たちの一人に過ぎない。ラミヤーッさんは洋服の仕立屋を営んでいる。もう何年も前から一人で家族を養っている。彼女の家族は三人の男の子...うち一人は最近脊髄に銃弾を受けて麻痺している...と三人の女の子。最年長が中学一年生の女の子。これだけで彼女の置かれている状態と生活がいかに苦しいものであるか想像に難くない。
家は賃貸で、家賃は月額20万ディナール(1ドル約1500ディナール)。レミヤーッさんはいう、
「ここしばらく収入が途絶えて子供たちの生活費も途絶えてしまった。それも度重なる停電のために。もちろん努力をしなかったわけではありません。1KVの発電機を購入して、何とかミシンを働かして仕事を続けようとしましたが、燃料不足が追い討ちをかけてきた。深夜遅くまで寝ずに電気が戻るのを待つ日々を続けている。でも、電気が戻ったかと思っても10分・15分しか続かず、また停電してしまって、仕事にならない。」
ウム・メヘディ(レミヤーッ)は訴える、
「このような状況にどう対処したらよいというのですか?誰が子供の養育費を保障してくれるというのですか?注文した服が期日までに仕上がらないため、お客がどんどん離れていってしまって...」
ウム・メヘディの苦境は14人を養っているサアド・ハッダード(男性)さんよりましではない。サアドさんは鉄工の惨状を訴える...
「仕事は止まっているのに、賃料はどんどん値上がりしている。工業地区の知り合いの鉄工仲間と共同で大きな発電機を購入したのだが、燃料不足のため、購入後わずか1ヶ月で発電機は止まってしまった。なぜ?発電機を働かすための1リットルのガスオイルが千ディナールに達してしまったんですよ!」
鉄工のサアドさんは続ける、
「それにも関わらず発電機に必要な燃料を皆で購入し続けたが、悪徳闇商人が人をだまして燃料に混ぜ物を加えるから、発電機の調子が悪くなってしまった...ご覧のとおり商売上がったりというわけだ...政府の責任者のお偉いさん達が何とかしてくれるのを待つしか術は残されていないってことだ。」
・・・つづく。
イラクの停電、ガソリンスタンド待ちのひどさについて、私も、つい1週間ほど前に、知人のNGO関係者から聞いたばかりです。
外国人排斥の風潮は強くなるばかりで、外国人と接触のあるという理由で攻撃の対象となるイラク人も多いそうです。
劣化ウランによる小児ガン・白血病の子供たちの医療支援は待った無しの状況なのに、本当に困ったものです。(実は劣化ウラン廃絶キャンペーンのスタッフをしています。)
では、これからもよろしくお願いします。
ブッシュ大統領ののほほんとしたコメントには呆れてしまいます。
また読ませていただきます。
ホームページも開いていらしたのですね。アメリカ大使館にデモ行進するなどの度胸もない私ですので、実際に、そうしたキャンペーンでご活躍の方が、まぶしく見えます。
やっぱりアメリカ、変ですよね、まったく。