イラク議会選挙５

こちらからのつづき

　以上、とにかく選挙を実施することに意義があるのはもちろんですが、今のこの時期にこのような方法で選挙を実施することに反対する人にも理があることを理解いただけたらと思います。
　スンニ派がボイコットとか、シーア派は選挙をボイコットしないとかいうような言葉が日本のメディアにあふれるたび、イラク国民の対立を望むように聞こえてしまいます。
　イラクに望む将来はスンニでもシーアあらゆる民族が共存できる平和な国のはずで、選挙に反対する人達の本当の主張（公正・透明・平等）が届かないことを残念に思います。
　民主的な選挙に反対するイラク人はいません。
　ですが、選挙は行ったという事実と結果がすべてではありません。プロセスが重要です。
　プロセスを重視せずに、国民に十分な情報を与えられることもなく、社会のあらゆる層の人たちが理解できるように説明することもないまま、流血の事態のなか実施される選挙に、多くのイラク人が失望してしまったのも事実です。
　それでも、どのような形でもイラク安定化のための第一歩、あるいは民主主義の練習と位置づけ、今回の選挙を前向きに評価しようと思う人も少なくありません。
　選挙委員会のメンバーも選挙委員会に協力する人も投票に行く人も命がけです。
　民主的な選挙を望むような平和主義者の多くは小心者なので、安全が保障されなければ、多くの問題を抱える選挙に、命をかけてまで投票に行かないと思いますが．．．いよいよ、選挙当日。
　今回のこのイラク選挙には92,000,000ドルもかかっているのですから、費用に見合う結果になってほしいと思います。
　無事を祈っています。

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