笑いまみれ・はなこば日記

笑うことを積極的に考える女の日記
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オリエンタルラジオ「十」と"A Fish Called Wanda"を見て

2009年11月04日 | 映画とかDVDとか
一時期に見たため
ふたつがシンクロしました。

オリラジのファンの方は
あまり好ましい内容ではありません。
ので、
今のうちに
ほかへジャンプジャンプッ。

オリエンタルラジオのDVDは
十篇の映像作品を収めたものです。
コントというわけでもなく、
戦隊ものや
スケッチをアニメーションのようにしたもの
など、
たぶんあっちゃんの
独特の世界観を
映像に起こしたような感じです。

映像の色感や
衣装(とよべるのか?)などの特撮的なものの仕上がりなど
すごくよく出来ています。
お金がちゃんとかかっている感じ。
ほんとにかかっているかどうかは
分かりませんが、
安っぽくなくてちゃんとしています。

才能・・・あるかもねぇ。
あるのかなぁ。

表現したいもの

しっかり映像化されていた。
と思います。
ただ、
ちょっと恥ずかしいんだ。あたしは。
あたしの個人的な感情としては。
見ていると、
これを作った人が
どんなものに影響されてきたのか、
同世代(のちょっと上の世代だあたし)として
めっちゃくちゃ分かるのです。
アニメや漫画。ドラマ。
ブラックな二次元世界。
青春時代に何を考えて、
何に感動したのか。
もう。
骨身にしみます。

だからこれを作ったうえで
どう思われたいの?
ねえ?
才能あるって
思われたいんでしょ。
ねえねえ。
こういうのが、格好いいと思ってるんだね。
え?
ちがうの?
笑いが取りたいの?
うそうそ。
と勘ぐってしまっているのです。
元ネタが分かるので。

だから源流を知らない若い世代は
感動できるかもしれません。
笑う
感じはしなかった。
あえて言うなら、「頭で考えて面白い」もの。です。
ねー。
やな感じの書き方でしょう。



「表現したいもの」
があると思うのです。
表現者として。
その人個人がやりたいこと。
真っ白な状態からものづくりをするときに、
なにをしたいのか。
芸人さんだったら
笑いを取る
以外にも、それぞれのテイストがある。
少しでもすごいって思われたい欲求
が見えるもの
は基本的に苦手です。
そのなかでも文字通り「すごいもの」はあるので
一概には言えないのですが、
どんなに隠しても
染み出てくるものです。
すごいと思われたい
知的に思われたい
天才に見られたい
そういった野心とでもいうのでしょうか、
欲望は匂いのように香ってきます。
実際、わたしがそういうタイプの人間だからなのでしょうか。
すぐ気がつくし、気になるのです。
ちなみに
笑ってほしい。
は基本ベースです。
要は、どれくらいのバランスで行くのか
ということです。
笑わすことに
もしくは
表現したことそのものに
どれほど比重をおくのか。


モンティパイソンのメンバー
ジョン・クリーズ脚本の
「ワンダとダイヤと優しい奴ら」
を見ました。

ジョン・クリーズは
ただただ
幼稚に下品に
不道徳に
みんなを笑わせたいだけなんだ。
と見ていて思いました。
そのために
常人では考えられないほど皺の入った脳みそを使って
考えている。
自分のイギリス紳士的で思慮深げな外見さえも
冷静に分析して。
表現したいのは
「バカ」
なんです。
DVDにメイキングがついていました。
そのインタビューや撮影風景を見ていて
思いました。
めちゃめちゃ格好いい。

表現したいことに向かって、
ジョン・クリーズは
チームを組み、
キャスティングをし、
リーダー役をし(これまた皆に頼られる素敵なリーダー)
結果を残す。

印象的なのは
これはどうだ
と共演者がアイディアを出し、
大笑いして受け入れることもあれば、
それがどうしてダメなのか
きちんと説明している場面です。
基準は
それが笑えるかどうか。
その最短距離をものすごく分かっている。
個人的な意見ではなく、客観的なのです。
素敵。

忘れてはいけないのは、
これだけダンディで頭脳明晰なひとの
表現したいことが
じつに
くだらない(褒め言葉)
ってことだ。

ブラックで、日本的価値観だと引くこともしばしばあります。
やりすぎな面(残酷だったりね)もあるのです。
それなのに、
にじみ出る
インテリジェンス。
結果、これ。
これですよ。
頭よく思われたい
という、
いやらしさをまったく感じない。
もうすでにもともと内包されているから
わざわざ表現に組み込まなくてもいいのです。
しかも、
組み込まなくても出ている
っていう点まで
分かっている。
あえて
弁護士や判事を演じるんだもん。
自分で、それが似合っているって知っているのだ。
自分がインテリ顔のイギリス紳士だってことを
計算できている。
スーツさえ着ときゃ、それは滲み出るからね。と。
違うところに頭使います。

ずるい。
ずるすぎる。
モンティパイソンに影響されているコメディや
日本でもショートコント
ってたくさん存在すると思います。
でも、
勝てないよねぇ。
型や雰囲気だけ真似しても。絶対に。

そこで最近、気がついたのですが、
笑いの最も核となる部分は
「自分を知る」
てことなんじゃないかしら。
そこんとこの背伸びや
無理が
いやらしさとして感じてしまうのではないかしら。
アピールしないでも
にじみでてしまうもの
への把握度合いによって
優秀であるか
そうでないかは決まるんでは?

ジョン・クリーズには
だれもなれないですけど、
ジョン・クリーズ自身は
すごくジョン・クリーズであらんとする。

あれ?意味不明?
これはまた次の機会に書きます。
今日もまた書きすぎました。
それではおやすみ~。

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