大阪名物パチパチパンチ
ドヤ、ドャ、ドヤーーーー
ご存知
吉本新喜劇
脇役・島木譲二の最大のギャグである。
ポコポコヘッドに、カンカンヘッドは男のロマン
困った困ったこまどり姉妹、しまったしまった島倉千代子・・・
・・・等々のギャグを持つ
強面のキャラクターが、一転愛嬌たっぷり変貌するところが可笑しかった。
私の知るところ、異色なキャラクターであった。
←旧天六阪急ビル
↑ 地下鉄入口 ポンビキ位置 ↑ 自転車置き場 ↑
「天六には○○と謂う親分が居ってのお」
「あの辺は○○組の縄張りじゃ」
・・・と、子供の頃
親父から聞かされたことがあった
ぽん引き
昭和55年 ( 1980年 ) 頃
地下鉄堺筋線にて、
天神橋筋六丁目から堺筋本町まで通勤していた私。
天六 ( 天神橋筋六丁目 ) までは、自転車で脚を伸ばしていた。
自転車は、旧天六阪急ビル ( 1階は阪急共栄ストア ) の東側、
交番の前の 「 自転車預り 」 ・谷村に預けた。
谷村さん から地下鉄駅まで徒歩で2分程度の処である。
午後の八時過ぎ
いつものとおり、地下鉄の階段を上った私は
自転車置場に向おうと、天六阪急ビルの東南角にさしかかった。
その時
「 にいちゃん、遊んでいかへんか 」
「 若いええこ、おるで 」
・・・と、中年の男に声をかけられた。
所謂、ポンビキ と、謂うやつ
立派な体格をしている。
そして、
あの大阪名物パチパチパンチでお馴染みの吉元新喜劇 ・島木譲二バリの強面である。
私は、まともには相手にならず、( イヤイヤ・・と ) 手を振って拒んできた。
幾度となく声を掛けられるのには、閉口していた。
だから、この日
「 地元のもんや 」 ・・・と、そう返答したのである。
私にとっては天六は地元。
すると意外にも
「 おっ、そうかそうか、そりゃすまなんだな 」
・・・と、彼の強面の顔が緩んだ。
強面ゆえに、緩むと一転愛くるしい顔に変貌する。
やくざなおっさん
強面の無愛想なおっさん
そんなイメージが強かったから、
その意外な反応に逆に親しみを感じてしまったのである。
「 このおっさん、ええ人なんや 」
・・・と、そう想った。
以来彼とは、なんとなく顔馴染み
互に顔を見合わせると、目と目で以て会釈するようになったのである。
ご互いが
『すっかり顔馴染みに成る』・・を、しちゃあいけないことと
そう想っていたのである。
それが、仁義と
なんとなく、そう想っていたのである。