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by hamarie_february

サイエンスと効率

2007-05-30 11:51:00 | 気になるニュース

バタバタと忙しくてエントリーできず,すでにニュースじゃなくなっちゃいましたが,とりあえず....

図らずも追いかけているサイエンスネタです.目についちゃうんですね~,なんでかな

 

asahi.com:ヒトES細胞大量培養に成功 従来の100倍以上の効率(2007年05月28日2時05分)

様々な組織や臓器になり得る万能細胞として再生医療への期待が高いヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を、従来の100倍以上の効率で増やせる大量培養技術の開発に理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹グループディレクターらが成功した。これまでヒトES細胞は手作業でわずかずつ増やす方法に頼っていただけに、再生医療研究を大幅に加速しそうだ。27日付の米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー電子版で発表される。 (中略)笹井さんらは今回、細胞死を抑える働きのある薬剤などをヒトES細胞に加えて培養を試みた。その結果、運動神経などの細胞死との関連があるたんぱく質の働きを妨げる薬剤に、ES細胞の生存率を大幅に高める作用があることがわかった。 細胞の塊を手作業で切り分ける従来の方法では1カ月で100倍程度に増やすのが限界だったが、この薬剤を加えて培養することでさらに100倍以上に増やすことができた。 また、笹井さんらは、この培養方法を応用し、ヒトES細胞から大脳皮質や大脳基底核の細胞を高い効率で作り出すことに初めて成功。笹井さんは「神経細胞の移植によるハンチントン病治療やアルツハイマー病治療薬の開発にもつながる成果」としている。

 

ちょうど前日には,九州大学で臓器売買に関連したシンポジウムが開かれていたようです.

asahi.com:「臓器売買」めぐりシンポ 九州大(2007年05月27日22時05分)

フィリピン、インドなど海外で広がる「臓器売買」をめぐるシンポジウムが27日、福岡市で開かれた。九州大学アジア総合政策センターの主催。問題の背景には世界的な臓器不足と貧困があるため、売買する提供者や患者を批判するのではなく、貧困削減や死体腎移植の促進などの取り組みが必要との意見が出た。 日本人患者も多数訪れるフィリピンでは、患者が臓器提供者に「謝礼」として収入の損失補填(ほてん)や生活支援金を支払う制度がある。「事実上の売買」との批判に、フィリピン国立腎臓・移植研究所のエンリケ・オナ所長は「謝礼は売買の対価ではなく、提供者を増やすインセンティブとして許容可能だ」と主張した。

 

うーん...なるほど.世界的な臓器不足ですか...

まぁ今回のニュースは,効率のよい培養技術の開発に成功したということなんですけど,大局的に観ても,おそらく「臓器売買」というやり方の法整備やら合意やらをごちゃごちゃと進めるよりも,ES細胞など再生医療の研究推進をして,こういった使える技術開発をした方が,根本的に効率がいいでしょうな.

提供者-被提供者間でのややこしい交渉とか必要なくなるし,ポストコロニアルな状況下での搾取が云々とかツッコまれる余地が無くなるし.

...ということは,つまり(このケースにおける)医療現場でのサイエンスコミュニケーションの必要は半減するでしょうね.

自分の細胞から培養して臓器を作っておけば,誰かにお願いしたりお願いされたり持ちつ持たれつする必要がなくなりますから.

いい! いや,ごめんなさい...やっぱり一人暮らしが長いと,誰かにお願いしたり,判断を仰ぐ前に自分でさっさと決めてやらざるをえないので,こういった状況はワタシ的にはとても馴染みよい状況なのです.

別系ですが,以前サイエンスカフェでも話題にした「街角見守りロボット」でも,町内自治や自警等は「こちらは忙しいし勘弁してください」なワケですからウレシイわけです.あくまでも,それだけで犯罪を防ぐことができるのであれば...ですが.

地域に住む住民同士の連携やまちづくりなどに参加することにどういったメリットがあるのか見えないですしね.むしろ関わりあうことでトラブルネタは増えるだろうと思います.人間ですから.

だからこそ,それを回避するための科学技術を推進してほしい!となるワケですが....

だけど,そればっかりでいいのかなぁ...という気分は残りますな.

先日聞いたのですが,たしかボケ防止の医療現場では,わざわざ「めんどくさい状況をつくり出す」ことが試みられているらしいです.つまりあまりにスムーズな日常生活を送っていると,脳が活性化しないそうです.最近ちょっと危ないので(自宅の電話番号を間違えた)ちょっとボケ症状に陥る前に対策を練らねばと思っています.いやいや...

...というわけで,何処かに,ちょうどよい具合の「めんどくさい人」はいないかなぁと思っている今日この頃でありました.脳トレするかな~

(...うーん,全然サイエンスネタじゃなかったかも....)

【関連エントリー】:突発的風邪(2007-02-21)  ふたつのニュース(2007-02-19) バイオポリティックス(2006-11-21)

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