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サイエンスカフェを中心に,
ライフスタイル雑談ブログ
by hamarie_february

予算について

2007-05-27 06:26:49 | 学問・社会

朝日新聞朝刊「私の視点」の中村桂子さんの記事を発端にして,いくつかのブログで取り上げられていた予算の話.

(K_Tachibanaさんが,こちらにまとめてくださっています)

長らく一般企業に勤めていたワタシにとって,大学の事務をしているとき不思議な感覚だった...というか,なんとなく馴染めず居心地が悪かったことの一つが,この「予算」でした.

居心地の悪さの原因は明らかで,それはつまり「国民の税金なんだ」ということです.

こちらが何かをセールスして得た売り上げだったり,もともとあった資産だったりではなく,貧富の差に関係なく税金として吸い上げられたお金の一部であるということです.非常勤でしたが,脅迫的に「公僕たるべし」という感覚がありました.

念のため書き添えておくと,幸い(?)「サイエンスカフェ神戸」に「予算」はついていません.ゲストの方もスタッフもボランティアですし(人手が足りないときに無理にお願いして手伝っていただいた学生さんには小額の手当てを出していると思いますが),カフェを使わせてもらう「会場費」も基本的に無料で交渉し,その代わりに飲み物やケーキなどを参加者の方々に注文していただくというスタイルをとっています.

しかし,そもそも大学の経営自体が国民の税金で成り立っていたわけですから,ワタシに支給されていた「ささやかなお給料」も,(見ず知らずの)国民の皆様から戴いていたということになります.

この状況をどう考えるかということが,ワタシにとってはかなりの難問でした.

いや,難問というほどのものではありませんね.なんとなく居心地が悪かったのです.

しかし,今回,今日の朝日新聞朝刊の中村桂子さんの「私の視点」について(Web2.0っていうんですか/ITベンチャーの社長のブログ)で紹介された話の続編(補足しておきます)を読んでみると,いわゆる企業も「予算」の獲得に奔走していることは常識であることがわかりました.

また,各省庁への「陳情」のやり方やパイプの太さがその情勢に大きく関わっているのではないかということが想像されました.

むろん,古くから「公共事業」という名の下に企業に税金が落とされることは公然であるわけですが,それと同様に「企業研究」も「公共的なもの」として捉えられているということなのか.そして,実際に研究の成果は「公共」へと還元されているのかという点,かなり疑問が残りました.

大企業の方々が予算獲りにくるとき,これは「国民の税金だ」という意識はあるのかなぁ...と.

ところで今回の盛り上がりで,予算決定の際の省庁内の駆け引きが垣間見れましたが,予算の流れ方が,文科省系,経産省系と分けられるということをはじめて知りました.余談ですが,ある方に(文科省と比べて)経産省は「話が早い」と聞いたことがあります.

これはワタシだけの感覚かもしれませんが,経産省の予算の(おそらく基本的な考えである)「経済の活性や産業につながる研究」が,ある種「公共」感覚からずれていく,あるいは基礎研究を疎かにするのではないかという恐れがあるのですが,一方で,今回批判の対象となっているような,結果が先々にどう繋がるのかが見えにくいプロジェクトが多くあるとすれば,「文科省は,ホンマいい加減にしてくれ」と言いたくなります....

まぁ...難しいですな....また,改めて考えます.

【関連エントリー】:研究者って変,いや大変(2007-01-27)

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