「猫」といえば、伊藤潤二の最新刊だと思われる『潰談 新・闇の声』(朝日ソノラマ刊)に収載されている「双一の愛玩動物」に出てくる「猫」がひどく魅力的である。
双一の姉が拾った猫をコロンと名づけて、双一以外の家族が可愛がるのだが、双一の呪いによってやがてコロンはギャロンとなり、巨大なムカデやらはては地獄に棲む昆虫まで捕まえてくるようになるのである 「ゴロニャーン!!!」 。
潤二先生の傑作のひとつ。
潤二先生は猫を飼っているのかしら?と推察できるのは、猫の何気ない仕草の描写が完璧だからである。
絵としていくら可愛くても「猫」という生きもののリアリティが希薄だと、その漫画は猫飼いにとっては興醒めでしかない。
その代表が『あずまんが大王』に登場する「猫」だろうか。
もちろん作品自体は、あずまきよひこ式換骨奪胎の傑作であり、細部に目をこらすと特別な独創性は見当たらないのに、全体を俯瞰すると見事なあずま作品になっているという、自分にとっては畏怖の対象であり、ことに大阪さんがよい(!)。
「ちよちゃんはちっちゃい方がちよちゃんらしくてええで
ちよちゃんが大きかったらそれ ちよちゃんちゃう
ちよや!」
んが、動くぬいぐるみにすぎない猫の描きかただけには、どうにも小生鼻白むところなのである。
とっくに評価の確定したギャグ漫画につっこむ自分のピントのはずれ具合もどうかと思うが。
というか商売として成功すれば何でもいいのであるが。
くやしいのうwwwww