祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり・・・産経抄 八葉蓮華
除夜の鐘はなぜ108突くのか。近所の住職に聞いたところ、諸説あるものの実ははっきりとした定説はないという。はっきりしているのは、日ごろ眠っている日本人の信心深さを鐘の音が呼び覚ましてくれることだ。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」との平家物語の一節は、大不況に突入した今だからこそ心に染みる。株価が1年間に4割以上も暴落し、我が世の春を謳歌(おうか)していたトヨタまでもが赤字に転落。名古屋の街に失業者があふれるとは、誰が予想できただろう。
政治家は政争と選挙の準備に明け暮れた。世間を震撼させた毒餃子(ギヨーザ)事件も解決せぬまま年を越す。しかし、悪いことばかりではない。消費者が食品の安全性に目覚め、国産の良さを見直した1年でもあった。
食品だけではない。神前に欠かせない榊(さかき)も国産で、という運動が、熊野本宮大社おひざ元の和歌山県田辺市で始まった。これには恥ずかしながら小欄も関(かか)わりがある。
昨年、安倍首相が靖国神社に榊を奉納したニュースにひっかけ、榊のほとんどは中国産だ、と書いた。すっかり忘れていたところ、読者の宮本隆二郎さんから「日本の神様には国産品を」と有志を募ってNPO「熊野ワールド」を発足させた、との便りをいただいた。通信販売のほか、1月下旬からは「熊野の榊」のブランドで、大手スーパー・イオン(大阪、奈良など一部店舗)での販売も決まったという。
宮本さんは「熊野に眠る数々の素材を世に送り出し、若い後継者も育てたい」と意気込む。不況と高齢化で、地方は疲弊しきっているが、宝の山は足元に眠っている。それを掘り出す知恵は農水省ではなく、民間にある。新しい年には、国産の玉串を捧(ささ)げて初詣でと参りましょうか。
産経抄 産経新聞 12/31
創価学会 企業 会館 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
除夜の鐘はなぜ108突くのか。近所の住職に聞いたところ、諸説あるものの実ははっきりとした定説はないという。はっきりしているのは、日ごろ眠っている日本人の信心深さを鐘の音が呼び覚ましてくれることだ。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」との平家物語の一節は、大不況に突入した今だからこそ心に染みる。株価が1年間に4割以上も暴落し、我が世の春を謳歌(おうか)していたトヨタまでもが赤字に転落。名古屋の街に失業者があふれるとは、誰が予想できただろう。
政治家は政争と選挙の準備に明け暮れた。世間を震撼させた毒餃子(ギヨーザ)事件も解決せぬまま年を越す。しかし、悪いことばかりではない。消費者が食品の安全性に目覚め、国産の良さを見直した1年でもあった。
食品だけではない。神前に欠かせない榊(さかき)も国産で、という運動が、熊野本宮大社おひざ元の和歌山県田辺市で始まった。これには恥ずかしながら小欄も関(かか)わりがある。
昨年、安倍首相が靖国神社に榊を奉納したニュースにひっかけ、榊のほとんどは中国産だ、と書いた。すっかり忘れていたところ、読者の宮本隆二郎さんから「日本の神様には国産品を」と有志を募ってNPO「熊野ワールド」を発足させた、との便りをいただいた。通信販売のほか、1月下旬からは「熊野の榊」のブランドで、大手スーパー・イオン(大阪、奈良など一部店舗)での販売も決まったという。
宮本さんは「熊野に眠る数々の素材を世に送り出し、若い後継者も育てたい」と意気込む。不況と高齢化で、地方は疲弊しきっているが、宝の山は足元に眠っている。それを掘り出す知恵は農水省ではなく、民間にある。新しい年には、国産の玉串を捧(ささ)げて初詣でと参りましょうか。
産経抄 産経新聞 12/31
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