ガリバー通信

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道路公団トップ談合で逮捕

2005年07月26日 | 日本の課題
 ようやく問題多き天下り官僚集団の実質的なトップである、内田道路公団副総裁が逮捕された。

 永年の政府の天下り人事の温床となり、大手の土木建設業界との癒着による「談合体質」を秋の民営化までに何とか一掃すべく、猪瀬氏を始めとする、道路関係4公団民営化推進委員会からの指摘や告発に対して、白を切っていた公団幹部の典型が、この内田副総裁だったのである。

 内田副総裁は、東京工業大学出身の技師として生え抜きの技師長を経て、民営化へのステップで、公団トップに上り詰めた、エリート中のエリートなのであるが、5月の委員懇談会で、OBによる談合組織である、K会やA会の存在は報道で初めて知ったと語り、猪瀬委員に「嘘だ」と指摘され席を立って以来、懇談会への出席は拒否していた人物である。

 テレビの報道を通じて拝見すると、60歳を迎えた普通の品のある紳士の様にお見受けするのだが、永年の道路公団という、特殊な組織、集団に籍をおいての仕事を通じて培われた「組織の常識」が如何に、一般社会では「非常識」なことなのかも分からなくなった、組織人間と化していたのであろう。

 検察庁の告発により、逮捕されてしまったが、本人は、たぶん現在も自分は悪いことはしていない。全て組織のために、道路公団のために誠実に職務を遂行したに過ぎないと思っておられるのではなかろうかと推察するのである。

 人間は、その所属する組織、団体によって大きく価値観や生き方が変る人と、どんな組織や価値観の中にあっても、ちっとも自分の個性や考え方が変らない人もいるのだが、日本社会にあっては、「壕に入れば壕に従え」的な、組織人間、つまりイエスマンが善しとされ、上意下達の強靭な組織が出来てしまっている場合が多いのである。

 私は、この一連の橋梁談合事件を通じて、今回の逮捕は「官製談合」の疑惑まで肉薄しているのだけれど、決して、このエリートである、内田道路公団副総裁の逮捕で終わって欲しくないと強く感じている。

 というのは、この背景には多くの官と民の癒着体質と共に、政治家がバックに関与していることが間違いないからである。

 地方の経済と政治は、その地域の道路や橋等のインフラ整備が、まず表向きの大きな政治化の公約であり、「地元に如何にお金を落とすか」つまり「税金をおらが町に、どれだけ運べる力」があるかが、大きな集票マシーンとして機能しているからなのである。

 どんな小さな自治体、市町村においても、この構造は大なり小なり同じであり、今回の道路公団民営化へのステップでの公団こトップの逮捕で雌雄決させずに、日本の官、財、政のどろどろした癒着とカネの行き来に大きなメスを入れてほしいものである。

 あのテレビに映る組織人間の典型的な姿である、道路公団内田副総裁の逮捕劇でね『とがけの大物尻尾切り」に終わらせない、検察当局の仕事をとことん期待しているものである。

 日本中津々裏々の習慣みたいなものだと言い切った、財界のトップの「妙言」は、問題視されたことがあったが、まさに日本国中で、談合が当たり前で、大きな政財官のデキレースによる、税金の無駄遣いをストップさせて、公平、公正な「公共事業」の遂行を実現させなければならない。
 
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どうも怪しい。 (ossan)
2005-07-28 00:05:54
 内田道路公団副総裁の逮捕という大ニュースは、どうも郵政民営化の参議院での審議、採決にからむ政局の泥沼のなかでの、意図的な関心づらし、すなわち焦点ボケを狙った政府権力の罠の様な気がするし、本丸である政治家への波及はないものだろう。

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