マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎/ムンプス)

2009年12月14日 | ワクチン その他
インフルエンザに混ざって、おたふくかぜにかかる子をちらほらみかけます。

おたふくかぜのワクチンは昔からあるのですが、
①任意接種のためお金がかかる
②軽症のことも多いのでかかってしまったほうがいいと考えている人がかなり多い
③そもそもワクチンがあることを知らない
などから接種率が極めて低いのが現状です。

ちなみに3年ほど前にマキノの東・西保育園でアンケートをとらせてもらいましたが、
おたふくワクチンの接種率は25%程度でした。

そのため一旦感染した子がいたとなると、感染は確実に広がります。
潜伏期間が2-3週程度と長いため、インフルエンザのような大流行にはなりませんが、
小さい流行が数ヶ月に渡って続きます。

先月も今月も、子どもがおたふくになったが、自分がおたふくになったかどうかわからない
という親御さんの採血を立て続けにやりました。
かかってないと思っていても知らないうちに済んでいることもよくあるのですが、
たまたまかもしれませんが、数名は抗体がない、あるいはあってもかなり少ないという結果でした。

成人のおたふくは子どもと比べて重症化の頻度がかなり高くなります。
感染はほとんど自分の子どもからです。
子どもがかかってから自分はどうだったかと心配になるケースが結構ありますね。
過去にかかったかどうかは血液検査である程度わかりますので、
子どもさんがかかる前に検査しておくのもいいと思います。
もしくはワクチンを接種してしまうのも話が早いかもしれません。
小児科でも内科でもどちらでも相談してください。
ちなみに大人・子どもを問わず、かかった場合に不妊を心配されますが、
確かに精巣炎・卵巣炎は起こりやすいようですが、不妊の可能性はほとんど考えなくてよいようです。
でも。。。精巣炎はかわいそうなくらいつらそうですよ。

子どもにワクチンすべきかどうか?もインフルエンザと同じです。
確かに大半は軽症かもしれません。
誰が重症化するかもわかりません。
最近ようやく難聴の原因におたふくが大きな割合を占めることがわかってきました。
おたふくの無菌性髄膜炎で入院する子も意外と多いのも事実です。
だいたい治って登校・登園の許可を出せるのが1週間程度かかります。
そしてそのうちかかるだろう。。。が大人になるまでかからないと、
上で書いたような話になるわけですね。
そのあたりを考えていただけたらと思います。

接種時期は兄弟がいるのであれば1歳を越えたらいつでも。
第1子であれば集団保育に入るまでに。
それ以外であればもういつでも早い目に。

日本以外の国ではおたふくのワクチンを接種するべきかどうかなんて問題になりません。
定期接種で「原則接種しなさい」だからです。
しかも2回接種です。
みんなが接種するようになるといずれは2回必要になるかと思いますが、
日本ではだいぶ未来のことになるでしょうね。
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