マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

発熱

2010年01月04日 | 診療
熱があるっ!、熱が出たっ!

なぜみなさんは子どもが熱を出すと不安になるのでしょうか?

①熱で頭がやられないか>>>②ひきつけが心配>>③肺炎や脱水>④その他?でしょうか?
(長くなりますので、ひきつけ(≒熱性けいれん)はまた別の機会にお話したいと思います。)

「40度もあったら頭がやられませんか?」
という質問を何度いただいてきたかわからないくらいです。
そんな簡単に頭がやられるなら、世の中みんなやられてませんかと
逆に聞くとちょっとは納得してもらえます。
実際にそんなにすぐに頭がやられるのなら、怖くて小児科医なんてやってられません。

基本的に「熱」だけで脳の細胞がダメージを受けるとは思っていません。
42度を越えるような深刻な熱が続くというのであれば話は別ですが、
そもそもそのような高い熱は体温をコントロールする中枢がおかしくなってはじめて出るものです。
脳症や髄膜炎などでウィルスや細菌が脳の細胞に直接ダメージを与える、
けいれんが長引いたり、呼吸障害などで脳に十分な酸素が届かなくなって、脳の細胞がダメージを受ける。
それらの結果として、体温中枢もおかしくなるわけですし、異常な高熱もしくは低体温につながるのです。
これを「熱で頭がやられる」とするのはちょっと違うのではと思っています。

熱が高いから脳症になる、髄膜炎になるのではありません。
脳症、髄膜炎になったら高い熱が出ても当たり前なのです(高くないこともあり)。
誰が脳症などを発症するかなんて「神」にしかわかりません。
意識障害やけいれんがないうちに脳症や髄膜炎を早期に診断するのも難しいのも事実です。
でも頻度を考えるとめったにならないはずです。
いくら高い熱があっても、多少ぐったりでも、話ができたり、飲み食いできたりするなら、
まずは心配する必要はないと思えませんか?
もっと言えば元気に走り回れるような高熱の何がそんなに悪いのかとまで思ってしまいます。
それでも心配ならマメに受診してもらえたらお互い安心できますよね。

ただ、高島市は小児科が少ないので、
特に夜間休日の対応が難しい地域です。
受診しようにも土曜の夕方から発熱。。。なんて時は悩ましい事態に。

でも、実際、乳幼児は熱に強いですよね。
大人は微熱でもへろへろです。
うまいことできてますよ。
しょっちゅう熱出す時期は熱には強いんですよ。

熱が出たからといって、大急ぎで受診しないといけないケースはかなり少ないはずなのです。



長編になってしまったので、4シリーズ+αでお伝えしていきます。

(その2)
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/e6802a68f624521a702c1fde0fcc5f03

へ続きます。。。
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