この国は一体どこに向かおうとしているのだろう?
自分の身はなんとか自分でできる範囲でどうにかするとして。
子どもたちを一体どこまでかばってやれるのだろう?
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会という組織があるそうです。
「こちら」
で署名などできます。
もともと「憲法9条」そのものにノーベル平和賞をという話だったのだとか。
でもノルウェーのノーベル委員会に打診したら、
個人か団体でないとあかんと言われてしまったと。
だったら国民全員を対象にしたらいいやんと。
発想がすごいです。
ご参考まで。
東京新聞より
「憲法9条に ノーベル平和賞を!」 1人の母親の運動 広がる
戦争放棄を定めた憲法9条にノーベル平和賞を─。
神奈川県の女性が1人で始めた運動がある。
荒唐無稽のようだが、ここにきて現実味を帯び始た。
ノーベル委員会への推薦資格のある大学教授らが協力を表明したのだ。
◆推薦資格持つ教授らも賛同
このアイデアを思いついたのは、神奈川県座間市の婦鷹巣直美さん(37)。
一昨年、欧州連合(EU)が「地域の統合により
、国家の和解と平和を進めた」として平和賞に選ばれた。
「戦後70年近くも日本に戦争をさせなかった9条にも資格がある」とひらめいた。
安倍政権が改憲への動きを活発化する中、
「受賞すれば9条を守れる」と思ったことも大きかった。
「社会問題に無関心な学生」だった鷹巣さんを変えたのが、
留学先のオーストラリアで出会った各国の難民だった。
戦火や暴力で心身共に深く傷つき、それでも立ち直ろうとする姿。
「戦争に巻き込まれずにすんでいるのは平和憲法のおかげだ」と実感した。
7歳の長女と1歳の長男の子育ての傍ら、
昨年1月からネット上で「9条にノーベル平和賞を」というキャンペーンを始めた。
集めた署名は、ノルウェーのノーベル委員会に随時送った。
しかし、委員会からはメールで「個人か団体に授与するもので
憲法のように抽象的なものは候補になれない」との返信があった。
実は「9条にノーベル平和賞を」という運動は、今回が初めてではない。
1991年に「第9条の会」を米国で立ち上げたオハイオ大名誉教授の
チャールズ・オーバービー氏(87)が過去に推薦しようとしたが、
鷹巣さんと同じ理由で委員会から断られた。
そこで鷹巣さんが考えついたのが、「9条を保持している日本国民」という枠組みだった。
鷹巣さんが地元の市民団代などに話したところ、
賛同する市民らによる実行委員会が昨年8月に発足した。
石垣義昭共同代表(72)と、メンバーの岡田えり子さん(53)は
「最初は受賞なんてできるのかと突飛に感じたが、
署名を集めるうちに、それだけの価値が十分あると
確信するようになった」と口をそろえる。
ノーベル平和賞のノミネートには、推薦人が必要となる。
資格があるのは各国の国会議員や閣僚、大学の学長、
社会学や歴史学など一定分野が専門の教授。
平和や外交政策の研究所長、国際裁判所裁判官、
過去の受賞者やノーベル委員会の関係者も有資格者だ。
「実現性はある」と大学教授らに協力を呼びかけると、推薦人が集まり始めた。
その一人、勝村弘也・神戸松蔭女子学院大学教授(聖書学)は
「戦争に直接関わらない国は世界で珍しい。
それを改憲で崩そうとする動きに、若い人の関心が希薄すぎると感じる。
こうした活動は日本社会がよって立つ土台を見直す機会になる」と評価する。
ノーベル平和賞の推薦締め切りは2月1日。
昨年は259の個人・団体がノミネートされた。
多くの推薦人が多様な理由で推薦することと、
賛同する人の署名が多いほど、委員会へのアピールになるという。
詳しくは「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行員会」の署名サイトへ。
子どもたちのためということで。
今回はこれでおしまい。
東京新聞より。
年のはじめに考える こっそり改憲は許さない
2014年1月9日
集団的自衛権の行使解禁を目指し、
国家安全保障基本法の制定をもくろむ安倍政権は、
改憲の手続き抜きで「国のかたち」を変えようとしています。
布石は打たれてきました。昨年夏、参院選挙が終わり、
三年間は国政選挙がない無風状態に入るや、
内閣法制局長官を集団的自衛権の行使容認派に交代させました。
安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に
関する懇談会」が行使容認の報告書を提出するのを見越した人事です。
「憲法九条で許容される必要最小限の範囲を超え、
行使は許されない」としてきた政府見解を覆そうというのです。
◆安保基本法を提出へ
報告書は新年度予算成立後に提出され、閣議了解される見通しです。
「違憲」を「合憲」に一変させる解釈改憲を確実にするための
「立法改憲」が国家安全保障基本法の制定にあたります。
法案は通常国会の終盤か、秋の臨時国会への提出が見込まれています。
国家安全保障基本法案(概要)は自民党が野党だった二〇一二年七月、
党総務会で満場一致で了承されました。当時は、
自民党議員による法案提出が見込まれていましたが、
安倍首相は内閣から提出することを明言しています。
概要をみると、安全保障政策を進めるためのロードマップ(行程表)を
兼ねていることが分かります。
第三条「国および地方公共団体の責務」は、秘密保護のための法律制定を規定し、
第六条「安全保障基本計画」は安全保障に関する
長期的な計画の制定を義務づけています。
これらは昨年暮れの特定秘密保護法と国家安全保障戦略の制定につながりました。
そして国家安全保障戦略は、概要の第一二条「武器の輸出入等」を反映して、
武器輸出三原則の見直しを打ち出しました。
◆国民に「国防の義務」
安倍政権はパズルをひとつひとつ埋めるように概要の項目を先取りしています。
条文で驚かされるのは、第四条「国民の責務」があることです
。国民に安全保障施策に協力し、寄与することを求め、
「国防の義務」を課しているのです。
これは一二年四月、自民党が発表した改憲草案の前文にある
「国民は国を自ら守る責務を共有する」と同じ趣旨であり、
国家安全保障戦略に書き込まれた「愛国心」に通じます。
愛国心や国防の義務を国民に求めること自体
、国家主義への傾斜がうかがえます。
そう考えれば、自民党改憲草案が「公益および公の秩序」によって、
基本的人権や「知る権利」を制限しようとする理由が分かります。
国家のために国民の自由や権利を縛ろうというのです。
国民の自由や権利を守るため、
国家を縛る日本国憲法の「立憲主義」を逆転させているのです。
概要の第八条「自衛隊」には、「必要に応じ公共の秩序の維持に当たる」とあります。
自衛隊法には治安出動規定があるものの、発動されたことはありません。
過去に一度だけ、一九六〇年の安保闘争で発動が検討されました。
そのときの首相が安倍首相の母方の祖父、岸信介氏でした。
半世紀を経て国会周辺のデモをテロと呼ぶ自民党幹部が出てきたとはいえ、
自衛隊に「公共の秩序」を担わせようとする戦前の憲兵隊を
ほうふつとさせる発想には、あぜんとするほかありません。
第一〇条は集団的自衛権の行使を定め、別途、
集団自衛事態法を規定するとあり、第一一条は「国連憲章に
定められた安全保障措置等への参加」を明記しています。
国連の安全保障措置には多国籍軍への参加が含まれます。
安全保障措置「等」とあり、必ずしも国連決議を必要としていません。
例えばイラク戦争の英軍のように、自衛隊が米軍とともに最前線で戦うことが可能になります。
国家安全保障基本法が成立すれば、憲法九条は空文化します。
法案なので三分の二の国会議員の賛成や国民投票が必要な改憲規定と比べ、なんとお手軽なことか。
自民党の議員全員が賛成すれば衆参の過半数を
占めて法案は成立、憲法は有名無実化します。
◆国会で堂々の議論を
それこそ麻生太郎副総理がナチスを引き合いに出して語った、こっそり改憲する手口でしょう。
安倍首相は「日本を取り巻く安全保障環境がますます悪化している」と述べ、
集団的自衛権行使を含む解釈改憲の必要性を強調します。改憲が必要というなら、
国会論議を通じて多数派を形成し、国民投票法にのっとり、
国民の意見を聞くのは当然のことです。
日本は専制国家ではありません。
国民は人であって、人柱ではないのです。
(おしまい)